アパレル業界就職への道VOL.4-②

2013年02月14日増田恵一(キャリアカウンセラー/文化服装学院キャリア支援室室長)

職業研究・企業研究

さて今回は企業研究です。
企業研究を始める時、普通はその企業のウェブサイトを眺めることから始めると思います。そうした場合、大抵ウェブサイトの中の目立つ位置に「経営理念」の紹介ページにリンクが張られています。
「ここはどういう会社なんだろう?」と、興味津々にそこを訪れてみると・・・。
「地球人類の幸せの感情をより高め、生活を向上させる価値を提供する企業」
「世界中のニーズに応えるグローバル総合力カンパニー」
「人材の創造力を軸に、ワン・アンド・オンリーの価値を提供する企業」
つまり「なんじゃそりゃあ!」となるわけです。
「経営理念」「企業理念」「ビジョン(志・展望)」「ミッション(使命)」「バリュー(価値観)」、それらはその会社の精神的なオリジナリティといっても過言ではありません。しかし経営理念だけでは自分の志向と合っているかはわからないと思います。大抵の企業は、経営理念ではものすごく立派なことを言っています。しかしそれはあくまでもその企業が今後長い時間を使って目指していこうとしている「あるべき姿」に過ぎないのです。もちろん、これからどう発展していくつもりなのか、ということを知るためには大切です。しかし、特に大手企業の場合だと経営理念だけではあまりにも話が抽象的かつ壮大すぎて、その企業に就職することで具体的にどんな仕事ができるのか、どんな人を求めているかはわかりません。特に「求める力」「求める人材像」は、その会社で活躍するための能力であり、その会社の特色を如実に表しています。例えば、その企業のカラーによって独創性や積極性を重視するのか、信頼性やホスピタリティを重視するのかは大きく変わってくるので注意が必要です。
さて、客観的に企業の現在の姿を確かめていきましょう。
何から始めて良いかわからない!という人のために、まずとっかかりとなる質問を6つにまとめてみました。

(1)どのような商品を扱っているか?

レディースかメンズか、アウターかインナーか、布帛かニット、またはカットソーか、小物雑貨も取り扱っているか、など徹底的に調べましょう。うちの(文化服装学院)求人票では「婦人服80%、小物雑貨20%取り扱い、20~30才中心のカジュアルウェア」などと明記するようにしています。

(2)その企業が今、特に力を入れているものは何か?

重視しているのは「モノ」か、「サービス」かは究極の選択方法です。たいがいの企業が「両方」と主張するでしょうが、本当にそうでしょうか。そこで納得してはいけません。
企業研究を行う大きな目的のひとつが、志望動機の材料を得ることです。その企業の個性を把握し、競合他社の中でも特にその企業ならではのポイントを見つけ、「それがあるからその企業に行きたいんだ!」と説得力を持って語れるようにしましょう。
どんな企業も、きっとライバル会社に立ち向かうために何かを差別化しているはずです。
それは何かを考えてみましょう。たとえばSWOT分析でもよいでしょう。SWOTとはStrengths(強み)、Weaknesses(弱み)、Opportunities(機会)、Threats(脅威)の頭文字であり、「どのように強みを活かすか?」「どのように弱みを克服するか?」「どのように機会を利用するか?」「どのように脅威を取り除く、または脅威から身を守るか?」など、戦略を立てるときの観点で用いる分析方法です。すると不思議なことに、その企業のライバル会社が浮かんできます。(そこまでいけば成功です!)業界全体の構成が見え、その中で意中の企業がどんなポジションで、そしてどんな戦略を立てているのかが見えてきます。結果、志望動機も熱く、血の通ったものになり、自分のどんな力をPRすればいいのかも見えてくるのです。

(3)どのような顧客を対象としているか?

昨今のアパレル企業ですと、まずは海外か国内かでしょうね。年齢層はもちろん、顧客がどういった生活スタイルを求めているのかなど徹底的に調べます。もちろん事業部によっても変わるので、その場合は志望する部署で考えてみましょう。

(4)今後の方針はどのようなものか?

前述の「その企業が今、特に力を入れているものは何か?」と重なる部分も出てくると思いますが、ここでは現在のそういった力の入れ方は、戦略上変わらずに続けていかれるものなのか、それとも短期間で終わらせられるものなのか、を調べてみませんか。そしてできれば、顧客から見えにくい価値もチェックしましょう。必ずしも顧客に向けただけの価値観が、あなたにとっての魅力になるかはわかりません。例えば、環境への取り組み、食育への取り組み、キャリア教育への取り組みなどが挙げられるのではないでしょうか。

(5)その企業の中であなたが興味のある事業分野の実績はどうか?

情報化社会が進展し、情報が身の回りに溢れる今日、インターネットだけでなく新聞、情報誌など多種多様な媒体を通して比較的容易に情報を収集できる環境にあります。しかし、いくら容易といってもインターネットで調べただけでは話になりません。ファッション業界を目指すのであれば、日頃から繊研新聞や日経MJに目を通すくらいは日課でなければいけません。

(6)その企業の業界内での評価はどのようなものか?

こちらもひたすら情報を収集するわけですが、最後に「その企業は今後もその業界内で発展していけるのか」の答えを予想することになります。これがわかれば経営者になったほうがいい、かも知れませんね。しかし「ユニクロ」だって最初は小さな企業だったわけです。そこがこの業界の醍醐味かも知れません。つまりホームページも無い、名前も聞いたことが無い、調べようが無い(実際には調べられる)と思われる企業にもっと目を向けなくてはいけません。


さて次回は「求人票」の見方をお伝えいたします。
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