アパレル業界就職への道VOL.4-①

2013年01月31日増田恵一(キャリアカウンセラー/文化服装学院キャリア支援室室長)

職業研究・企業研究

さて自己分析も終わり、次は「職業研究・企業研究」です。ここまで読んで頂けた方はどう感じていらっしゃるでしょうか。「早く履歴書を書いて企業へ郵送したいのに、それまでにやることがこんなにたくさんあるなんて思わなかった」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。そうなんです! でも後で「やっておいて良かった」となるはずです。いざ面接がはじまりますと、精神的にも肉体的にも余裕がなくなってきます。そして「あ~あ、お目当ての企業が不採用になってしまった、もうこの企業でもいいか、いや、でもな・・・」なんて自分が最初に思っていたことがどんどんブレてきます。就活において履歴書を書く前の様々な準備は、「作品」に例えるなら「コンセプト作り」です。コンセプトのない作品は薄っぺらで説得力がないのと同様、就活のコンセプトがしっかりしていないと、人の意見やちょっとしたことに惑わされて、最後には自分でも何をやっているかわからなくなります。パニック状態になるかも知れません。さあ、そうならないために頑張りましょう。
(1)職業研究
既に目指す職種は決まっているという方も、もう一度基本に戻って考えてみませんか。特にアパレル業界は一つの枠に当てはまらない職種が山ほどあります。自己分析によって自身の適性を見極めました、そして次は職業研究によって、その適性を活かせる職種を選ぶことが大切です。
アパレル業界の職種は横文字が多く、その実態がつかみにくい場合が多々あります。そんな時、シンプルに物事を捉えてもらうために、私は授業で学生にこう説明しています。「皆さんはファッションをつくる人になりたいですか、ファッションを売る人ですか、ファッションを伝える人でしょうか」そして少しオーバーにこう繋げます。「ものをつくるって楽しいですよね、わしゃ、職人じゃ」「儲かりまっか! なんてったって世の中カネじゃ」「ともかくおしゃべり! なんかオモロイことがあったら人に伝えたくってしょうがない!」「これって人種(?)違いますよね、選択を間違いちゃったら大変ですよね! 」
その3つのグループに分け、今更! といわれてしまうかも知れませんが、各職種の説明をしておきます。

~ファッションをつくる人~

クリエイティブディレクター
ファッションデザインをメインに、ショップの内装に至るまで、ブランドのイメージ戦略全般を手がけるクリエイターのこと。
自らはデザインせずに、デザインチームを指導する立場の人もいる。
別名、アーティスティックディレクター。

ファッションデザイナー/企画
ブランドのすべてを統括する人もいれば、ディレクターの指示でデザインする人など立場によって仕事の内容はさまざま。
大手アパレルではマーチャンダイザーらの入念な市場調査に基づいて、トレンドと売れ筋を計算した服をデザインすることが多い。

ニットデザイナー
ニットは編み目などの特殊な知識が必要なため、専門に手がけるデザイナーがいる。
Tシャツやポロシャツ、スウェットシャツなどもニットのジャンル。

パタンナー
平面のデザインを立体の服にするため、布の裁断用のパターン(型紙)をつくる。
服づくりのプロセスで、デザインと同等の重要な仕事。

マーチャンダイザー
ファッションを商品と考えて、デザインのテーマを設定したり、服の流通方法などを計画する仕事。
生産分野のプロダクトマーチャンダイザー、店舗分野のリテールマーチャンダイザーなど、ジャンルによってさまざまに呼ばれる。
要するに「ブランド、ショップ運営にかかわる監督的責任者」と考えればいいだろう。

CAD/グレーダー
サイズに合わせた商品をつくるため、パターンを大小の大きさにアレンジしていく。
コンピューターなどの特殊な知識が必要な専門職。

生産管理
サンプル見本の服を、ショップに並ぶ商品にしていく仕事。
生産工場とのやり取りが多く、生地、パターン、縫製の幅広い知識が求められる。

グッズデザイナー
靴、バッグ、帽子、アクセサリーなどを企画デザインする。

グッズ制作職人
アトリエや工場に勤めて、ファッション小物の制作をおこなう。
フリーランスで自宅で活動する人も。

テキスタイルデザイナー
生地屋に勤めてブランドのオリジナル生地をつくったり、プリント柄を提案したり。
布を手織りして作家活動をする人もいる。

テーラー/カッター
オーダーメイドでテーラードジャケットやスーツ、シャツを仕立てる高度な技術を持つ職人的クリエイター。

~ファッションを売る人~

営業/セールス
ビジネス面のすべてにかかわる仕事。
ショップのバイヤーと商談したり、新たな卸し先を開拓したり。
取引先や顧客が求めるアイテムをクリエイティブ部門のスタッフに伝えて、商品企画に反映させる役割も。

バイヤー
主にセレクトショップや百貨店に所属して、さまざまな商品を買い付けて販売する。
世界的にショーや展示会が集中する2~3月、9~10月は忙しさのピーク。

ショップスタッフ
店舗で接客する販売員で、ファッションアドバイザーとも呼ばれる。
イギリスやアメリカでの呼び名はセールススタッフ、セールスパーソン、またはセールスクラーク。
顧客ニーズをいち早くキャッチし、クリエイティブ部門のスタッフに伝えて、商品企画に反映させる役割も担う大変重要なポジション。どんな仕事に就くにせよ一度は経験すべき。

ビジュアルマーチャンダイザー
店舗ディスプレイを中心に、服の並べ方などショップをビジュアル面でサポートする。
別名、ビジュアルコーディネーター。

~ファッションを伝える人~

スタイリスト
雑誌、広告、映画などで使われる服を選んで人に着せつけ、ビジュアル面を演出。
多くのスタイリストはミュージシャン、芸能人が仕事のメインになっている。

プレス
ブランドの広報、宣伝を手がける。
プレスとは本来、報道ジャーナリストやエディターなど、取材する側を指す言葉。
正確には「プレス担当者」「プレス係」と呼ぶ。

エディター
ファッション雑誌や本づくりにかかわるスタッフを選んで、誌面の企画とディレクションを行う。 取材に行って自分で原稿を書くことも。

モデル
ファッションを生み出すクリエイターの望みに応えて理想の姿を表現する。
近年はモデル自身が服をデザインするなど、仕事の幅が広がっている。

ファッションショー演出家
新作コレクションを発表するショーで、会場セッティングから音楽、モデルウォーキングなどをディレクションするディレクターであり、現場の責任者。

衣装デザイナー
バレエやダンス、演劇などの舞台や映画などの衣装を制作する。

さて、これらはあくまで参考です。基本と考えてください。同じ「パタンナー」でも企業によって全然違うことをしていることが多いのです。次回は「企業研究」にすすみますが、その企業を研究するうえで、皆さんが一番知りたい「仕事内容」を理解するための準備として、きちんと職業を知る(職業研究をする)必要があるのです。
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