アパレル業界就職への道VOL.3-①

2012年12月27日増田恵一(キャリアカウンセラー/文化服装学院キャリア支援室室長)

自己分析

就職活動は自己分析から始まるといいます。自己分析とは、自分の性格、能力、長所・短所、価値観、興味、欲求、人間性などについて客観的に理解する行為をいい、自己理解と言い換えてもよいでしょう。
しかし、この自己分析こそが皆さんを悩ませているという議論もあります。それどころか、かえって早期転職の一因にもなっているともいわれています。つまりキャリア教育の弊害です。
就職をめぐる環境がどんどん変化する中、逆に若者たちはそれに対応するどころか、社会人・職業人としての資質の欠如、精神的・社会的な自立の遅れが目立っています。簡単にいうと、それを取り戻すためにおこなう教育がキャリア教育です。しかし、20代の若者に対して「自己分析をしっかりして、自分の適職は何かやこれからの人生について考えろ」というのは酷です。過度なキャリア教育は弊害として、自分の能力への過信や仕事に対する一方的な思い込みを助長してしまいます。つまり、希望する職種や仕事以外のものを除外して考える若者を増やしてしまうのです。
皆さんは20代でしょうか。もし「仕事に対してえり好みする」習慣がついていると感じたら早期転職の一因、つまり過度なキャリア教育の犠牲者かもしれません。
自分のやりたい仕事を自分のやりたい方法でやれるのは、ほんの少数の人間です。まずはそのような現実があります。
では、自分への能力への過信や仕事に対する一方的な思い込みに注意して自己分析をすればいいのか。すると案外、「特にこれといったこともない人生でした」で終わってしまいます。これが俗にいわれている自己分析、自分探しで「小さな自分」に気付いて落ち込むということです。
でも、それなりに幸せに生きてきたのも事実だったりするのではありませんか?
私は最近目立ってきた、「自己分析不要論」を唱える大学関係者やキャリア論研究者の意見を認めはしますが、賛同はしません。自己分析はするべきだと思います。しかしそれは「未来の自分」を大きく構想する手段としての自己分析でなくてはいけません。企業が採用したいのは、「今までがんばった人」よりも「これからがんばれそうな人」です。
「自分は駄目な学生でした。勉強もサークルもろくにやってこなかった。最初の就職先でも平凡な社員でした。でも将来は○○な仕事で世界を変えたいと思っている。今までの経験では何も成果が出せなかった。しかし将来はそれをバネにして頑張れる自分がいます」
胡散臭い自己PRをする人より、こういい切れる人の方がよっぽど好感が持てると思いませんか? 今回最後にいっておきたいことが二つあります。一つは「資格」です。「資格は持っていたほうが就職に有利ですか?」とよく聞かれます。結論からいうと、もちろん最初から資格所有者を企業が求めている場合を除き、選考においてはほとんど有利になりません。資格をたくさん持っている人は、面接などで会うとイマイチな人が多いというのも、人事担当者の共通認識です。
二つ目は「留年」です。ほとんどの方が不利だと思われる「留年」ですが、意外にも不利とはいえない場合もあります。
「留年」の中身によるということです。そこでどんな体験をしたのか、何を学んだのかがポイントになります。むしろ苦労している点を評価する企業が多いのです。最後はもうおわかりですよね、「将来はそれをバネにして頑張れる自分がいます」というアピールです。
次回から自己分析の具体的なやり方に入ります。
(1)他者からみた自分、(2)自分史の作成、(3)戦略的自己分析(本当の自分を知るための自己分析)という順序ですすめてまいります。
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