Who's Next What's Next: 2008年6月

『装苑』2008年8月号

クリスチャン ディオールのゴージャスなケータイ

「新しいObjet de séduction(誘惑のオブジェ)の発表会」とだけ書かれた招待状が届き、それがなんなのかわからずにモンテーニュ通りの本店へ行くと、そこにはゴージャスなマダムたちが大挙して押し寄せていた。フタを開けてみたら、ディオール初の携帯電話のお披露目パーティ。ディオールのアイコンともいえる籐編みをイメージしたカナージュ柄が刻まれた本体のほかに、My Diorと名づけられた子機のような役目を果たす小さな携帯がセットになっている。簡単な操作だったらその小さな携帯で済ませることができるのだ。外に出したままにでき、バッグの中をひっかき回す必要がなくなるというのが売り。気になる値段だが、5色展開の普及版が3,500ユーロ(約60万円)。640個のダイヤモンドをあしらったバージョンが18,000ユーロ(約300万円)。やはり携帯電話もディオールらしい価格だ。
 
『装苑』2008年8月号

ケンゾーパルファム20周年

1987年にKenzo de Kenzoを発表して以来、JungleやFlowerといった数々のヒット商品を生み出してきたケンゾーパルファム。今年は20周年の節目の年に当たり、コンサートやパリコレが行なわれる多目的スペース、エリゼ・モンマルトルで大がかりなパーティが行なわれた。1999年にケンゾー社を退社した髙田賢三も来場。多くの人々があいさつに訪れ、また記念撮影を頼もうとする人で列ができるほどだった。当日は新しいメンズの香水、KENZO POWERもお披露目となり、イメージフィルムもプレミア上映された。既に3月には1970年代をイメージしたPeace and Loveも限定発売されており、パーティ会場はパッケージングそのままのサイケデリックな色合いで、正にラブ&ピースな雰囲気だった。
 
『装苑』2008年8月号

モード学校アトリエ・シャルドン・サヴァールのショー開催

1988年、映画プロデューサーのシリル・シャルドンとフリーのデザイナー、ドミニク・サヴァールにより設立された、パリの服飾学校の中でも特にアーティスティックな校風で知られるアトリエ・シャルドン・サヴァール。3年の修学期間中、素材作製、デザイン、パターンに加え、英語や服飾史などの科目も学ぶ、その教育方針は独自のもの。その生徒たちの成果を見せてくれるのが、毎年5月にパリのサーカス小屋「冬のサーカス」で行なわれるファッションショーだ。3年生にとっては卒業コレクションにあたる。各学年5〜20人のグループに分かれ、テーマごとに10体ほどの作品を制作。個人主義的なフランスにあって、あえて共同作業を学ばせるのもこの学校の特徴である。刺し子のような刺繍を施したエスニックテーストの服、複雑なカッティングが目を引くスポーツウェアなど、この学校らしい凝ったアイテムが多く登場。1時間以上のショーは飽きさせることがなく、学校の魅力を十分に伝えるものだった。
 
『装苑』2008年8月号

モダンオーガニック "リサ・レヴァイン" のジュエリー

「小さなころから服でドレスアップするよりも、祖母のジュエリ−ボックスの中で見つけたジュエリーで着飾ることが好きだったのよ」と語るジュエリーデザイナーのリサ・レヴァイン。蜘蛛の巣のようにチェーンで繊細に編まれたネックレス、針のように細く長い羽のイアリングなど、エッジのきいたモダンなデザインの中にも自然や手仕事の温かみを感じるオーガニックなデザインが特徴的。ニューヨ−クのパーソンズ・スクール・オブ・デザインを卒業後、中央メキシコのコミュニティでハンドクラフトのインスピレーションを培った。アメリカに戻りさらにそのクリエーションに磨きをかけ、ブルックリンのブティックをオープン。「官能的でタフなイメージ、そして同時に繊細で柔らかな動きを作るチェーンの素材を使うのが好きなの」とリサ。自然体で飾らないチャーミングな人柄に触れ、ますます彼女のジュエリ−のとりこになった。
 
『装苑』2008年8月号

「フィートジーリー」で見つけたユカタン半島のハンモック

マイペ−スで緩やかな空気感、高層ビルがないので空も大きく感じるブルックリンのウィリアムズバーグ。散策の途中、色鮮やかなディスプレーが目を引くメキシカンクラフトのブティック「フィートジーリー」を見つけた。フォトグラファーでオーナーのエミリーさんがメキシコのメリダ市のマーケットで買い付けてきたという洋服やハンドクラフトのアクセサリーがところ狭しと置かれた店先で、とりわけ私の心をくぎづけにしたカラフルなハンモック。もともとハンモックはメキシコ・ユカタン半島が発祥の地といわれ、マヤ文明の時代から暑さをしのぐための生活の知恵として、人々の生活に溶け込んできた。「フィートジーリ−」のハンモックはメリダ在住のアーティスト、ジャネットさんのハンドメード製。一人用は65ドル、二人用は118ドルで売られている。さなぎのようにゆらゆらと揺られて、プチリゾート気分に浸るもよし、壁に飾って楽しむもよし--。都会生活の傍らにカリブの風を運んでくれるに違いない。
 
『装苑』2008年8月号

ジョーダン・ベッテンの進化するアートプロジェクト

デザイナー、ジョーダン・ベッテンによる、すべて一点物のハンドメードのカスタムレザーで知られるブランド"ロスト・アート"。レニー・クラヴィッツをはじめ、多くのミュージシャンやセレブリティたちが、マンハッタンのウェスト・チェルシーにあるジョーダンのアトリエに"身につけるアート"を注文しに訪れる。実際、彼の作品はニューヨークのメトロポリタン・ミュージアムのコスチューム・インスティチュートやロンドンのヴィクトリア&アルバート・ミュージアムなどの美術館でも展示され、話題を呼んだ。そしていよいよ彼がそのアートワークのフィールドを白いキャンバスの上に広げたというニュースが飛び込んできた。「10年前にニューヨークに移り住み、自分のために革のバッグを作ってみたのがロスト・アートの始まり。ファッションでもアートでも、独学でそして独自の方法でやっている僕のスタイルはあらゆる点でアウトサイダー。これからもずっと続いていく創作の旅はこの"ベッテン・アートブックス"の中に収められていくよ」とでき上がったばかりの小冊子を見せて語ってくれた。かつてはなかった、アトリエの床に飛び散った絵の具を見てふと思った。こんな感覚のほとばしりこそ「ベッテン・アート」の真髄なんだと--。
 
『装苑』2008年8月号

これからが楽しみなプチブランドばかりを集めたショップが期間限定オープン

ミラノ運河地区に7月末まで3か月間期間限定でオープンしているmeet2biz SPAZIO(ミート・トゥー・ビズ スパツィオ)は、若手デザイナーのブランドばかりを集めたテンポラリーストア。怪しいイラストのバッグSEACREATEVE、ディテールにひねりがきいたカット&ソーDI-EIGHT、コンセプチュアルなマスコットFrengoなど、様々なアイテムが小さなスペースに所狭しと並んでいる。「ファッション王国イタリアとはいえ、若手が市場に出ていくのは困難な状況。それを少しずつでも助けて、作品を人々の目に触れるようにするのが目標」というスペースだ。場所は運河沿いのアパートメントの門をくぐった中庭にある隠れ家風。運河をのんびり散策するおりに、立ち寄ってみては?
 
『装苑』2008年8月号

ディーゼルがウィットに富むホームコレクション発表!

ディーゼルがホームコレクション「サクセスフル・リビング・フロム・ディーゼル」を発表した。ベッドリネン、タオル、バスローブなど、ディーゼルのデザインチームが手がけた、遊び心満載アイテムがいっぱい。加工デニムをパッチワークしたベッドカバーやクッションはいかにもディーゼルらしい。メタリックなパンクモチーフをコットンに転写プリントしたベッドリネンは、あまりにリアルで、寝たらとっても痛そう......。ソファを覆えば一瞬にしてビンテージのレザーソファに早変り!というトロンプルイユのソファカバーも手品みたいでとっても楽しい。ミラノサローネ期間中に行なわれた発表会では、バスローブ姿の美女がお出迎え。しかし、その後なぜかディーゼルのリネンに患者がくるまれて回転する「手術室」や、不機嫌にアイロンをかける洗濯女などが登場して、相変わらず一筋縄ではいかないサプライズブランドの王者ぶりを誇っていた!
 
『装苑』2008年8月号

カッシーナの家具の歴史と変遷を伝える展覧会「made in CASSINA」

イタリアを代表する家具メーカーCassina(カッシーナ)をクローズアップした展覧会がトリエンナーレ・デザイン・ミュージアムで9月7日まで開催中。1927年に創業したカッシーナは、1950年代のイタリアンデザインの誕生とともに、外部デザイナーとのコラボレーションによって、デザイン家具の発展の道を作ってきた。そのスタイルは、現在でもデザイン家具の業界システムとして機能している。今回の展示では、カッシーナとのコラボレーションによって生まれた家具135点を展示。中には商品化されなかった実験的なプロトタイプもあり、家具ファンにとって興味津々だ。ジオ・ポンティ、イコ・パリージなど初期のコラボから、アキッレ・カスティリオーニ、エットーレ・ソットサス、マリオ・ベリーニ、フィリップ・スタルク、ガエターノ・ペーシェまで国際的デザイナー26人を一人ずつ取り上げ、作品やデザイン画、写真などを展示して、カッシーナとのかかわりと作品制作のための当時の新技術、その作品が生まれた時代背景などを丁寧に説明している、とっても勉強になる展覧会だ。ソファ一つとっても様々な背景がある。アフラ&トビア・スカルパによる、当時の最新技術によりポリウレタンを内部に注入して作られた骨組みのないソファ「チプリア」、ガエターノ・ペーシェによる、ビルの間に太陽が沈むシーンを再現したシンボリック&具象的なソファ「トラモント・ア・ニューヨーク」、フィリップ・スタルクによる、座るためだけではない機械としての多目的ソファ「プリヴェ」など、なぜその家具が生まれてきたのか考えながら見るとさらにおもしろくなる。
 
『装苑』2008年8月号

ポール・スミスによるアットホームパーティ

この5月、ポール・スミスが西ロンドンに構えるショップ、「ウエストボーンハウス」が10周年を迎えた。記念ホームパーティの招待状はマノロ・ブラニクによって特別に描かれた水彩画。建築家ソフィー・ヒックスが手がけたこの店の特徴は、建物の真ん中に位置するガラス階段を挟んで対称的に部屋があることで、このガラス階段によって中心が吹抜け空間のようになっている。階段の踊り場にはポールが集めている絵画やアートが飾られ"いつも訪れる人をウェルカム"するが、ぜひ足を運んでいただきたい場所は、最上階のテーラー部屋。ここが開店する以前から従事しているテーラートリオ、"ジョン、クリストファー、トム"が温かく出迎えてくれることだろうし、彼らにこの家の歴史を聞いてみるのもいいかもしれない。また、10周年を祝し、切り絵作家、ロブ・ライアンの作品がハンドプリントされたお皿、日本人アーティスト田名網敬一の作品がプリントされたメンズのTシャツ、ポール・スミスのアイコニックな花柄をデザインしているロバート・レディオの作品など、ポールの友人との限定コラボレーション商品も紹介されている。
 
『装苑』2008年8月号

ゲリラガーデニング=庭作り運動

敵のすきを狙って不意打ちをかけること、その遊撃戦法のことを"ゲリラ"というが、ゲリラガーデニングとはいったい?もともと1973年、NYに住む油絵画家、リズ・クリスティが考案した"ゲリラガーデニング"。ロンドンでは、『ON GUERRILLA GARDENING(ゲリラガーデニングに関して)』の著者、リチャード・レイノルズが「庭作りに境界線などない!」というテーマを掲げて庭作りの意味を人々に訴えた。また、「ガーデンフォークを持って、花を植えて、汚れに立ち向かおう!」というスローガンで、公共の汚れた土地や忘れ去られた土地に緑を植えることで生命を吹き込み、さらに、それらを管理している自治体に立ち向かうためのメッセージも投げかけている。つい先日、教会の中にある「Museum of Garden History」で、リチャードによる講義とパネルディスカッションが開催され、一般人からメディア、自治体の人々をも巻き込み熱論が繰り広げられた。懺悔するというよりはむしろ「私の罪は、許可なしで公共の土地を耕し、そこで奮闘して前進することだ」と言い放つリチャード。今なぜこのゲリラガーデニングに多くの人々が参加しているのか?また、その方法は?をひもとくこのハンドブックはなかなかおもしろい。
 
『装苑』2008年8月号

FERNANDEZ & WELLS SOHOのオアシス

昨年1月にフード&ワインバーとしてオープン、3月にはカフェもオープンした「Fernandez & Wells」。以前、有名なコーヒーショップ、Monmouth Coffeeで働いていたJorge Fernandezと、BBCのジャーナリストをしていたRick Wellsが立ち上げたSOHOのオアシス的存在で、開店早々、ロンドンの一大情報誌「Time Out」によって"ロンドンでいちばんおいしいコーヒーショップ&バー"に選ばれたことが記憶に新しい。内装は、若手建築家William Tozerによるもので、壁には何もかけないという彼らのポリシーがこの空間をいっそうミニマルに見せており、この近辺でクリエーティブ業に従事している人々からも支持を集めている。また、ワインや食べ物のセレクションがおもしろく、大量生産しない個人製造者や、旅先などで偶然出会ったものを積極的に取り入れている。「ここで自慢のハムはフランスのピレネー地域のものでNoir de Bigorreというのだけど、私が休暇中に山でサイクリングしていたときに見つけたんだ」とRickが言うように、それぞれの商品に彼らの旅ストーリーがついてくるアットホームで温かみある憩いの場。いつでもフラッと立ち寄ってほしいおすすめのお店だ。
 
『装苑』2008年8月号

マシュマロみたいにスイートなNEW SHOP
 
香港の中心エリアにかわいいセレクトショップ「マシュマロ」がオープンした。女の子にとってカラフルなマシュマロは、見るのも食べるのも大好きなもの。ここではそんなマシュマロのように甘くかわいいテーストの洋服をセレクトしている。バイヤーのリサはパリ、ロンドンのほか、ベルリン、日本など、2か月に1回は海外に飛びユニークなアイテムを探している。ショップに並ぶアイテムは、洋服、靴、バッグ、アクセサリーなどを中心に、人気のインポートブランドをはじめヨーロッパのユーズドウェア、アンティーク小物も充実。内装は、フランスの小さいブティックのようなかわいい感じでまとめられ、甘くロマンティックな空間に仕上がっている。
 
『装苑』2008年8月号

伝統のテディベアとイラストレーターのコラボレーション
 
香港にはテディベアのコレクターが多く、様々なおもちゃ屋さんにテディベアが置いてある。今回紹介したいのは、英国王室御用達の伝統と歴史あるぬいぐるみメーカー「メリーソート社」と、香港のイラストレーター、リオ・ビアズリーのコラボレーションによるテディベア。メリーソートとは、幸運を意味する古い英国の言葉であり、このぬいぐるみを持つことで、あなたに幸運が訪れますように......という願いを込めて社名やトレードマークに用いているそう。この12cmの高さのテディベアは、ビアズリーが自身をイメージしてデザインしたもので、名前も"Miss Beardsley Cheeky"と名づけている。ビアズリーは、配色にこだわり、今回の作品は完成までに半年ほどを要した。ボディカラーはオリジナルのピンクで、ベアの目にはビアズリーが大好きなブルーを使用。はちみつのような黄色いコサージュ、カラフルなビーズのネックレス、ヒッピー風のプリントがかわいいエプロンドレスを着用し、伝統のテディベアが新しくキュートに生まれ変わった。香港のトイミュージアムで50体限定発売される。
 

 
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