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CULTURE / FEATURE

ACTRESS 宮﨑あおい

2011.10.06 update

生活の細々としたことに目利きが効き、会社への弁当作りも、朝のゴミ出しもさっさと自分でこなす、しっかり者のパートナー。髙崎幹男をツレと呼ぶ売れない漫画家、髙崎晴子こと、通称ハルさん。平凡だけど、このままずっと穏やかな日常を送れるのだろうと思っていた彼女に思わぬ事態が持ち上がる。IT企業で激務に追われていたツレがうつ病(心因性うつ病)になってしまったのだ。
映画『ツレがうつになりまして。』(以下、『ツレうつ』に略)は大切なパートナーが不調となっていく状況をみつめ、その闘病生活にいい塩梅で寄り添うハルさんの姿を描いたもの。
そして、働けなくなってしまった夫を支え、一家の屋台骨へとなっていくハルさんの成長物語でもある。演じたのは宮﨑あおいさん。
原作は細川貂々さんの実体験を描いた同名のコミックエッセイで、うつ病を患う人やその家族、またそれまでうつ病に知識がなかった層までを巻き込み大ベストセラーとなったのだが、実は映画化は難航。引き受けた一番の理由はなんだったのだろう?
「今まで出会ったことのない役だったんです」と宮﨑さん。
「ハルさんってけっしてデキた女性じゃないんですよね。性格は大ざっぱで、料理も掃除も家事全般が苦手。最初からツレのことをちゃんと見ていたかというとそうでもない。でも、人間的にはとても魅力的で、あ、ハルさんになれるかもしれないと思ったんです」
うつ病はある日、突然、やってくるものではなく、実は前兆ともいえる様々な症状が現れ出ていたのだが、ツレもハルさんも見落としていた。やがて「外に出られない」「眠れない」「動けない」「働けない」と一気に現れ出る症状をハルさんは優しく見守り続ける。

「そもそもハルさんは『うつって何!?』というレベルからはじまっていますから、わたしも特別にうつ病について意識しないように心がけました。ハルさんはうつ病をよく知らないからその深刻さもわからない。『これからどうすればいいんだろう』といいつつもあっけらかんとしているからツレも救われたりする」
そのツレ役、高視聴率を誇ったNHK大河ドラマ「篤姫」での宮﨑さんとの夫婦役も記憶に新しい堺雅人さんが演じている。前作に引き続き、『ツレうつ』でも正反対の性格ながら、唯一無二の存在となっている夫婦をとても楽しく演じていて、おふたりの演技の相性の良さが見ていて胸が弾むのだ。「ほんと、堺さんとはお芝居の相性がすごくいいと思います!」とご本人も太鼓判を押すほど。
「堺さんは勉強家で、役に関することはどんなことでも徹底的に調べて現場に入る方ですけど、私は現場に入ってから、そこから色々と吸収して役を作っていくタイプ。私と堺さんとでは、なにもかもが真逆じゃないかと思うんですけど、不思議なくらいお芝居の相性がいいんです。ストレートの球を投げるとバシっと受け止めてくれるし、ときどき、堺さんの方から変化球を投げてきたりする。そのやり取りが息ぴったりで、演じていてすごく楽しいんです。印象に残っているのは、うつ病で食欲をなくす設定だったことから、堺さん、撮影中もあまりご飯を食べていなかったんです。でも、干し柿にハマって色んな産地のものを入手して、『ここの産地のものがおいしい』と食べ較べされていました。あの突きつめ方が演技と変わらないなあと、見ていてほのぼのしちゃいました」

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