MYKITA

ハロー、ニューヨーク!米国に上陸したアイウェアブランド。 10 AUG. 2013

PHOTO KENJI TAKIGAMI
TEXT TERUYO MORI

 2003年に発表されたネジを使わないステンレス製のフレームは、フィリップ・スタルクやアラン・ミクリも舌を巻くほどの革新的かつモダンなデザインで、一躍業界のトップに踊り出た。新しい素材とそれに伴う革新的な加工技術を常に追求して、アイウェア業界に新風を吹き込んでいるマイキータが、今年7月に北米初となるショップをニューヨークのソーホーにオープンした。かつて倉庫街だったこの地域の粗野な雰囲気を残しつつ、明るい光と白で構成された店内には、カール・ツァイス社の「リラックスド・ヴィジョン・センター」が設置され、専門の検眼技師と顔に最もフィットしたアイウェアのフィッティングが体験できる。ベルリンからソーホーに進出したマイキータの創立者の一人でCEOのモーリッツ・クルーガーに話を聞いた。

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マイキータ ショップ ニューヨークの店内には、通称「マイキータウォール」と呼ばれるアイウェア用のラックが設置されている。工業用の重厚な棚をイメージしたという。トップの写真は、モーリッツ・クルーガー。

アイウェアのブランドを立ち上げた背景は?

モーリッツ・クルーガー(以下 クルーガー)  マイキータは僕を含めて4人で立ち上げたブランドだけど、とにかく自分たちのブランドを作りたかった、というのが一番の理由だね。

近視とか遠視とか個人的に目のトラブルに悩まされていたから?

クルーガー  僕の目はいたって健全。眼鏡の世話になったことはないね。ブランドを立ち上げたメンバーの中の2人はインダストリアルデザイナーで眼鏡のデザインに携わっていたから、独自のブランドを作ろうと思ったんだよ。それにアイウェアというものにはモダンデザインの粋が集められていると考えたから。

あなた自身はデザインという分野に元々興味があったのですか?

クルーガー  単にデザインがユニークということではなく、アイウェアのデザインに革新性が必要だと僕たちは考えた。だから今までアイウェアには使われていなかった素材を探して、ステンレスを用いることを思いついたのです。ステンレスはもの凄く軽く、伸ばしたり折り曲げたりするのが簡単。そこでステンレスの薄いシートを折り紙に見立て形を作ることを考えました。

それで生まれたのが、有名なヒンジの無いフレームなのですね。

クルーガー  素材や加工技術など今までアイウェアには無かったものを使うことで、新しいデザインを可能にする新しい技術も生み出すことができると信じていました。だから、ヒンジの無いアイウェアという、これまで無かった新しい可能性が生まれたのです。ステンレスのフレームは、さまざまな顔の凹凸へのアジャストメントがスムーズになり、フィットしたフレームを作ることが可能になったのです。

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マイキータを象徴する定番ライン、コレクションNo.1。特許を取得した、ヒンジの部分にネジを一本も使わないはめ込み式のタイプで、フレームには0.5ミリのステンレスシートを採用。軽量かつ独特なフィット感が特徴。01、02 49,875円 03、04 47,250円 05 44,100円

そのステンレスの眼鏡フレームを完成させるのにどのぐらいの年月が掛かったのですか?

クルーガー  アイディアが生まれてからブレインストーミングと試行錯誤を繰り返して1年程掛かりました。最初は昔のさまざまな眼鏡のレプリカを、これまで眼鏡には使われなかった素材を探して作ったのですが、ステンレスでの仕上がりが最もモダンに見えて、しかもとても軽かった。

その第一号をデザインするときのアイディアのインスピレーションになったものなどありますか?

クルーガー  アイディアというよりもモダンデザインという観点から最も影響を受けたのはル・コルビュジエの建築に対する考えかたと作品です。

マイキータのブランドコンセプトを教えてください。

クルーガー  最高品質のものを作ること。それにプラスして、個性的な製品であること。これらが常にバランスよく備わるためにはデザインチームの人々、工場の職人、営業などビジネスに携わる人々の人間関係がスムーズでなければいけません。ブランドに関わる人々が常にハッピーでいられるような良い環境が必要だと思っています。そういった環境が整っていれば、ブランドとしての成功の道を自然に歩んでいけると思います。

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写真は、マイキータの創設メンバー。左からデザイナーのフィリップ・ハフマンス、ヴァイスプレジデントのダニエル・ハフマンス、モーリッツ・クルーガー。ハフマンスの二人は兄弟。2003年、この3人を中心にブランドが設立された。

近年、眼鏡やサングラスはファッションに欠かせないアクセサリーになっていますが、ファッショントレンドは気になりますか?

クルーガー  気にしたことはないし、気にもなりません。確かに眼鏡やサングラスは身につける人のステータスではあるし、アクセサリーでもあるけれど、僕たちのブランドで大切ことはファッション性ではなく、作品がモダンデザインとして通用するかしないかということです。

年に2回発表するコレクションもファッションは意識しないのですか?

クルーガー  現在、14のラインがあり、ファッションデザイナーとのコラボレートした作品もありますが、ブランドとして大切にしていることは、発表したコレクションを一回限りで完成とするのではなく、いつの時代でもフレッシュな製品でいられるように手を入れて、より完成度の高いものになるよう務めることです。新しい作品も発表していますが、すでに発表したものがいつの時代でもフレッシュでいられるということは非常に大事ですからね。

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気鋭のファッションデザイナー、ダミール・ドマとコラボレートしたアイウェア。2シーズン目となる写真の2013-'14秋冬モデルは、特殊鋼とアセテート、セルロースをベースにした素材を使用。円形のモダンなフレームが特徴で、ヒンジの部分は、コレクションNo.1と同様にネジを使わないジョイント式のタイプ。各54,600円

今回、ニューヨークに北米初のショップをオープンさせましたが、その理由は?

クルーガー  北米は僕たちのブランドの中で最も成功している地域で、3年前から進出を考えていました。場所をソーホーにしたのも、この地域は商業地域として競争率が高く、製品の高い品質が求められます。この地域にブティックを出すということは、僕たちのブランドもやっと他のブランドと闘えるようになったという証しでもあります。

このショップのオープンを記念して、お店のある通りのクロスビー・ストリートから名づけた「クロスビー・コレクション」を発表しましたね。

クルーガー  東京店のオープンの時も、東京のカルチャーを意識した限定コレクションを発表しましたが、ショップへの寄贈という感じでデザインしました。今回は、ビンテージのアメリカンスタイルを意識しましたが、フレームをクリアにしてモダンな印象になっていると思います。

確かに、クラシックでもモダンでニューヨークの今な感じですけど、あなたの母国のドイツ的な眼鏡はどんなフレームですか?

クルーガー  この細いフレームの四角いクラシックな感じの眼鏡。ドイツ人は四角が好きだからね。

じゃあ日本人の好みは?

クルーガー  楕円形が特に人気ですね。日本人のテイストは、同じアジアでも中国や韓国とも違って独特です。グローバルなブランドで成功するには、それぞれの国の消費者のテイストや消費パターンなど考えてデザインすることも必要なのです。だから色々な国に旅行して、それぞれの国のマインドセットを研究しています。

成功の道を歩むあなたのブランドのこれからの挑戦は?

クルーガー  見た人が「マイキータだ!」とすぐに分かるブランドであり続けること。マイキータのアイウェアはどんなモデルでも、その形だけでなく細部に至るまで、マイキータであるこが表現されていること、そんな製品を作り続けることです。

あなた自身の大好きな眼鏡は?

クルーガー  マイキータというブランド名は保育所というドイツ語から取ったんですけど、保育所と同様に、集まっている子供たちに好き嫌いを持ってはいけない。だから生み出された製品はどれも大好きですよ。

今後の北米での計画は?

クルーガー  北米でのビジネスをちゃんと軌道に乗せることが先決だけど、ロサンゼルスには近いうちに出店したいね。

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上段は、マイキータ ショップ ニューヨークの店内。下段左は、ニューヨーク店限定の「クロスビー・コレクション」。ビンテージのアイウェアを参考にしたクラシックなフォルムのクリアなフレームがモダンな雰囲気。右はファサード。

MYKITA SHOP NEW YORK
109 Crosby Street 10012 New York, USA
11時〜19時営業(日曜は12時〜18時)不定休
tel. +1 212 3439100
www.mykita.com

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モーリッツ・クルーガー
1979年、旧西ドイツのオルデンバーグ生れ。ベルリンでホームレス収容施設の民間サービスを終えた後、メディアと政治学を勉強しながら、2001年からアイウェア業界で働き始める。2年間でPRからセールスマネージャーへとステップアップし、'03年、ハラルド・ゴットシュリングとハフマンス兄弟と共にマイキータを設立。現在は、CEO兼クリエーティブディレクターを務め、他ブランドとのコラボレーションを始めとする計画やデザインにも関わっている。ベルリンやニューヨークを始め、世界に8つの路面店を展開。東京店は2010年に誕生。

お問合せ マイキータ ジャパン tel.03-3409-3783



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