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Takeo Toyama

Takeo Toyama "Waltz In March"

トウヤマタケオが語る、ピアノと「三月のワルツ」のこと。

2010.10.22 update | MUSIC

大阪を中心に活動するトウヤマタケオは、ピアノソロからトリオ、11人編成の楽団までさまざまな形式での演奏を行なってきた音楽家だ。EGO-WRAPPIN'やmama!milkのレコーディングやライブにも参加している彼が、初のピアノソロ作品『Waltz In March』を発表した。上質な短編集のような余韻を持ち、ウィットとチャームに溢れた本作について、トウヤマにインタビューを試みた。

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トウヤマさんとピアノの出会いを教えてください。
Takeo Toyama(以下T)
ピアノは小学1年生のときに始めました。その当時子供に習い事をさせるのが流行っていて、ピアノか英会話がその主流でした。僕も親にピアノ教室に連れて行かれたので、自分からやりたいと言ったわけではないんです。その後、親の転勤をきっかけに、3年生でピアノ教室は辞めてしまいました。それはピアノが嫌いだったからではなくて、習い事的な枠組みや、先生に気を使ったりするのが嫌だったんだと思うんですね(笑)。
——
では、その後は独学で音楽の勉強をされていたのですか?
T:
小学5年生から京都の市立少年合唱団に入りました。合唱団に入るといろんな曲を練習したのですが、その中でいいなと思った曲を、自分でピアノ伴奏をつけながら歌ったりしていました。練習というよりは自分が好きだから歌っていて、これが自主的に音楽を始めた一番最初の記憶ですね。中学はコーラス部に入っていたくらいで、特に積極的に音楽活動をしていたわけではないですけど、2つ上の兄がギターを買ってもらったので、彼がコード弾きの練習をすると、僕はピアノでそのコードを弾かせられるという(笑)。でも、そのころの経験が今の自分の演奏にとても生かされていると思います。5線譜じゃなくてコードでピアノを弾く練習をしたんです。ギターキッズたちは、たとえばAmというコードの指の形を覚えれば、ピックで弦を鳴らすと和声感とリズムが作れる。あとはメロディを自分で歌えばいいんです。ギターって、本当に万能な楽器なんですよね。音楽教育を受けていない人たちがまず最初にギターを手にすることが多いのは、こういう便利なツールだからという部分も大きいと思います。僕は、歌本と呼ばれる歌詞とコードネームだけが書かれたものを見ながら、コードネームをピアノの鍵盤に置き換えるという練習をしていました。いわゆるクラシックピアノは2年間でドロップアウトしましたが、その後にコードを覚えたことで光が射してきたんです。
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確かに、一般的なクラシックピアノの教育を受けていても、コード譜は読めないという人は多いですよね。
T:
今でも、自分の事をピアニストと言うのは少し躊躇するんです。元々、コードを弾いて、歌を歌うための伴奏をするというところから始めているので。ピアノだけで何かを表現するのではなくて、表現の手段としてピアノがあるという、ずっとそのスタンスなんですよ。だから、僕にとってピアノソロのアルバムというのは、一生に一度、ひそかにリリースできればいいかなという目標だったんです。それを、ちょっとやってみようかな?と思ったのが今回のアルバム『Waltz In March』なんです。

Takeo Toyama

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今回の録音は、あなたの友人でもあるデュッセルドルフ在住のピアニスト、ハウシュカの家で行なわれたそうですね。彼との出会いのきっかけは何だったんですか?
T:
ハウシュカとは2005年の冬に初めて会いました。僕は『hello 88』という作品を、ドイツのカラオケ・カルクというレーベルからリリースしているのですが、ハウシュカとはそこのレーベルメートなんです。僕がカラオケ・カルクのオーナーに「ヨーロッパでリリースツアーをしたい」というメールを送っていたら、ちょうど1stアルバムを作ったハウシュカと一緒にツアースケジュールをブッキングしてくれたんです。そして車一台でヨーロッパを一緒にツアーして、彼と仲良くなりました。2009年にハウシュカが来日公演を行なったときにも、姫路と大阪公演で対バンをしたんです。そのときに「ソロアルバムを作りたいんだ」とハウシュカに相談してみたんですよ。せっかくソロ作品を作るなら、自分のモチベーションが上がるような面白いことをやってみたいと思っていて、ハウシュカの住むデュッセルドルフまで、旅行がてらレコーディングしにいくのがいいんじゃないかって思ったんです(笑)。そうすると、彼もいいね!と乗り気になってくれて、今年の2月にドイツに飛んだんです。彼の家に泊まってレコーディングしたので、ホームステイのようなものでした。
——
実際にハウシュカの家で、彼のピアノでレコーディングしてみた感想はいかがでしたか?
T:
それが、びっくりするくらい普通の家だったんです。これまでにベルリンには何度か行っていて、旧東ドイツ圏のところに行くことが多かったので、建物の雰囲気や、天井の高さなどに驚くことがよくあったのですが、デュッセルドルフは旧西ドイツなので、まったく違う雰囲気の街でした。ハウシュカの住んでいるフラットは70年代に建ったものなので、わりと普通でした(笑)。ヨーロッパの歴史からするとごく最近の建物ですからね。でも、僕がピアノを弾いているすぐ隣にハウシュカが座って、録音をしているというのは少し緊張しました。収録曲は、ここ5年くらいの間に作った曲ですが、今回のレコーディング中にも、1曲作りました。
——
アルバム全体を通して考えていたストーリーはどのようなものでしたか?
T:
短編集のような体裁のものを作りたかったんです。全部で一つの物語というわけではないけど、何かしらのつながりがあるという。それが、僕が意図していなかった偶然の部分でつながりができたりすると、より面白いなと思って。絵でも、建築でも、音楽でも、何かしらその人の作法みたいなものが、作品に共通して表われることがありますよね。その部分がつなぎとなって、短編集のように仕上がればいいなと思っていました。曲ごとのタイトルもそれを意識していて、今回はどうしても日本語で付けたかったんです。本をめくって扉があって、目次を見ると短編のお話のタイトルが並んでいる―というように、聴き手が短編集を読んでいるような感覚を得られる作品にしたかったんです。曲を作るときは、具体的なストーリーのイメージが事前にあるわけではなくて、後から話を作るのが好きなんです。例えば4曲目の「トビアスのこと」の場合は、当初この曲をトビーという愛称で呼んでいました。曲が完成してから、さてトビーはこの曲の中でどんな運命をたどって行くのか?って、想像していくのが面白いんです。

Takeo Toyama トウヤマタケオ オフィシャルサイト
http://www.takeotoyama.info

Takeo Toyama 『Waltz In March』トウヤマタケオ
¥2,520 windbell

amazonamazonで購入する

LIVE SCHEDULE
10/27(水)馬喰町 フクモリ
http://fuku-mori.jp/?page_id=1279

10/28(木)西麻布 Rainy Day Bookstore & Cafe
with 伊藤ゴロー
http://www.switch-pub.co.jp/topics/toyama.html

"Takeo Toyama Plays Waltz In March"リリースライブ
12/3(金)大阪 島之内教会
12/12(日)横浜 YCC 横浜創造都市センター

問合せ:windbell
http://www.windbell.info

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