2010.08.17 update | EXHIBITION
ファッションブランドのディーゼルがサポートし、フランスのイエール国際フェスティバルと並んで世界の2大ファッションコンテストとして注目されているITS(International Talent Support)が今回9回目を迎え、7月16日、17日でイタリアのトリエステで開催された。ファッション部門のファイナリストは12名。アクセサリー部門は10名。ファッション部門ではここ数年メンズファッションを提案する傾向が高く、今回も12名中8名がメンズファッションでエントリーされている。2日間の厳しい審査によってファッション部門からは最優秀賞、審査員特別賞、ディーゼル賞、RA賞が与えられる。今回見事最優秀賞に輝いたのは文化服装学院出身で今年の4月にここのがっこうを卒業した西山高士。過去にも日本人のファイナリストは数多くいたが、最優秀賞を受賞したというのは西山高士が初めて。そして、コンテストをサポートするディーゼルから送られるディーゼル賞にはアントワープ王立芸術アカデミーに通うドイツ出身のマイケル・カンプが受賞した。コンテストの詳細は8月28日発売の装苑10月号でも掲載。
今回もイタリアの美しい港町トリエステで行われたITS♯NINE。「FANTASTIC VOYAGERS」をテーマにファイナリストたちがここに集結した。今回のファッション部門のファイナリストは、イギリス、ドイツ、チェコ、デンマーク、イスラエル、韓国、ベルギー、日本、イタリアと国籍も様々で、アジアからの学生も少なくない。一流メゾンで活躍するデザイナーを多く輩出することで有名なITSは、2日間かけて慎重に審査をする。まず初日に17名の審査員によるポートフォリオの審査と、プレゼンテーションが行われる。審査員はコンテストを主催するイヴの代表のバーバラ・フランキンを初め、デザイナー、ジャーナリスト、バイヤー、昨年のグランプリの受賞者など。今回はゲスト審査員として、デザイナーのヴィクター&ロルフが参加した。さまざまなアイディアが詰まったポートフォリオと、一人7~8体制作した作品を自らプレゼンテーションする。そして2日目の夜に、ファッションショー形式で審査発表が行われる。ショー会場は「FANTASTIC VOYAGERS」がテーマとなっただけあり、どこかフューチャリスティックな演出でコンテストを盛り上げていた。
初日に行われたプレゼンテーションの審査。各自提出済みのポートフォリオに忠実に7~8体のバリエーションの服を制作する。この場では、17名の審査員の目の前に服を着たモデルが並び、制作者自らコンセプトやデザインポイントなどをアピール。質疑応答などで一人に20分から30分の時間が与えられるが、制作者にとっていちばん緊張する時間だ。
日本在住の日本人ファイナリストは初めてということで、日本発信というこにこだわった西山高士。「テーマにしたのはゲームの「モンスターハンター」。朝の通勤電車の中でサラリーマンがこのゲームを必死にやっています。そのサラリーマンたちがモンスターに侵されていく様子を服で表現しました。7体の作品は1つに合体します。フリンジのコートは、ひろげると10メートルになりモンスターのしっぽの部分に。素材は日暮里で安く買い、自分でキルティングを施したり、ダメージを加えたりしています。文化服装学院では服作りのテクニックを、ここのがっこうではクリエイティビティを学びました」。ITS♯NINEにエントリーされる7ヶ月ぐらい前から黙々と作品を作り続け、必ずファイナリストに入るということを目標にした。「違反になると思ったのですが、ディテールにこだわりを持っていたのでポートフォリオを送る時に服も送ってしまいました。」グランプリ受賞者には、来年のITS♯TENの審査員の枠と最新コレクションの発表の場が与えられる。モンスターがどのように進化するのか、今から期待が膨らむ。