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ANREALAGE

アンリアレイジ

2011.01.02 update | COLLECTION

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Designer
Kunihiko Morinaga
森永邦彦

date:October 22th 2010
start:21:00
place:Bellesalle Shibuya First
direction:Shigetaka Kaneko
Hair&makeup:Katsuya Kamo(Mod's Hair)

◯△□とタイトルを付けて球体と三角錐、立方体のボディにぴったりと服を着せたインスタレーションを行ったり、前シーズンは、ひょろ長い身長270センチのボディとチビで横に太いボディを使ったインスタレーションだったりと、変型したボディを使った実験的でコンセプチュアルなコレクションを展開してきたアンリアレイジが、3年ぶりにショー形式でコレクションを発表した。今回は、肩やヒップ、胸など体の一部が肥大化したようなフォルムを空気で作り、服を着せ、全作を見せた後、中の空気を抜き取ると、その分がドレープとなって、服は全く違う表情を見せる、というもので、スペースを仕切って4つの正方形の舞台とそれを客席が取り囲む簡素な会場には、1000人に及ぶ観客が詰めかけた。意外性のあるパフォーマンスと、至近距離でじっくり服が観賞できたことが、満足感として残る秀逸なショーだった。

Photographs:Tohru Yuasa(B.P.B.)

www.anrealage.com
Anrealage tel.03-6416-0096

INTERVIEW

ポートフォリオ

photographs:Tohru Yuasa(B.P.B.)

——
森永さんの最近の活動を見ると、2008年秋に発表した◯△□(丸三角四角)が、転換点でしたね。新しいステージに入った、という感じで。
森永邦彦(以下M)
そうですね。それまでは、手の力を信じていて、悩んだら手を動かして、ものを作る、時間をかけて作る、ということをやっていたんですが、このコレクションでは手を動かす前に考える、手を動かすまでが勝負、という取り組み方に仕事のやり方を変えて、すぐにものを作らない、自分の中で練って練って、出てきたものを形にする、考える方に重きを置き始めたシーズンなんです。
同時に、服作りに原型を使わずに作り始めたシーズンでもあり、洋服のサイズであるとか、人の体の変化であるとか、性差とかを飛び越えて、人の体を大きい固まりと見て、それを包み込むにはどういうものを作ったらいいか、ということで始まったコレクションでした。
——
そうすると、着る人によって、服と体の間に、隙間ができてきて、やせている人はたっぷりになるだろうし、太っている人は隙間が少し違うかも知れないし。その違いを楽しむということなんでしょうか。
M:
たとえば、前回のコレクションでは、横に太い洋服を華奢な人に着せると、逆にその体の線の細さが際立つ。そういう見え方に、僕はぞくっとするのかな、と思いました。
——
そういうようなことを考えながら、2009SSでは、キューブや立体の大きさを決めて行ったわけですか?
M:
そうですね。この一辺の長さを決めるとすべての長さが決まるのです。まず、肩幅を決めて、肩幅にあわせて、いちばん人を包みやすい寸法を探して、三つの立体の大きさを決定しました。トワルを何回も作って。全部同じ大きさの原型なので、いろんな形を作ったんですけど、すべてこの3つの形から、襟ぐりをどこに設けて、袖ぐりはどこに設けて、と進んで行きました。素材はジャージーだけではなく、布帛も。布帛のトレンチコートも作りました。
——
おもしろいですね。角に来るときは、ボタンまで直角に曲がっているのですね。
M:
はい、線に合わせて曲がっているのです。何か、その名残を残したいと思いました。世の中の布で作られているものを見ていると、ボールというのは計算し尽くされたパターンなんです。野球ボールもサッカーボールも。ところが、球体を作るというのが、パターン的にはいちばん難しいんです。どうしてもダーツを取ると角が立ってしまうので。これは実は野球ボールの型からできています。
——
へえー。
M:
最初は球体を包み込むためにいろいろ試行錯誤をしたんですけど、なかなかうまく行かない。そんなとき、ああ、ボールのパターンの構造を応用すれば、きれいな球体型ができると思い至ったんです。
——
ボールとは縁があるんですか?サッカー少年だったとか?
M:
バスケットやってました(笑)。
——
では、今シーズンの話を伺いたいと思います。今シーズンは、これの発展形でもあり、もっと人の体との関係が強いように思えます。
M:
そうですね。体から離れた服作りをしてきて、体は変わらないという自分の考えのもとに、体から離れていたんです。けれども、体というのも絶対的なものではないというのを、遅ればせながら、いろいろ気づくことがあり、成長ということもありますし、体自体変わって行くものであれば、逆に体自体が変化したような見え方、変化してまた戻るとか、そういうことができたらいいなと。前から考えてきたことではありますが、ランウェイで発表するのであれば、体と自分たちが作って来た形との関係性を、しっかり一つの答えとして出したい、と思い始めたのです。
——
浮き輪や空気の医療パーツを作っている会社にマネキンというか、からだのパーツの制作を依頼したとか。
M:
臓器の代替部分としての医療パーツを作っている会社がありまして、その後空気でマネキンを作る事業を始められていて、ちょうどそのタイミングで僕はお会いして、一緒に取り組むことになったんです。
——
これを開発するまでにずいぶん時間がかかったでしょう。
M:
かかりましたね。3ヶ月くらいでしょうか。コンセプト自体は結構早く決まっていました。でもそれをどう洋服に落とし込んで行くか、その辺を詰めるのに時間がかかりましたね。どれくらい膨らませたらいいかということも。どんどん膨らんでしまうものなので。
——
服は、どういう順序でできていったんですか?
M:
最初にいちばんシンプルな肩をやりたくて、パワーショルダーとか、やっぱり肩というところに、今までにない形を作れる可能性を、すごく感じていたので、取りあえず、最初はまず肩を膨らませたいと思いついたのですが、なかなか難しかったですね、肩は。
それに、空気というのは、布とは全然構造が違うんですね。浮き輪の業者というのはすべて型でしか作れないので、2枚一緒につなぎあわせてそれを膨らませるというやりかたなので、たとえば、球体を作るにしても、洋服であれば、切り替えを入れてと言う風になるのですが、空気の場合はフラットなフォームを膨らませるだけで球体になるので、凹凸を付けるのがなかなか難しいんです。悪戦苦闘しました。
——
この風船というか、ボディを作ってから服作りが始まるのですか?
M:
予測範囲内で大体の大きさと言うのを何通りか作ってもらって、実際にそれに対して洋服を作り、空気がなくなった時にどういう見え方をするかというところで、修正して、という繰り返しです。たとえば、肩でが膨らんでいた部分にある布というのは、着用した時にはいちばん下に来るので、タックを取る方向とか、いろいろ想定しながら作らないとうまく行かないんですね。でも僕たちは、シーズンを重ねて、こういう服作りの方法をつかめるようになってきているので、なんとかなっています。
——
素材的に今回新しく挑戦したものなどはありましたか。
M:
今回は軽い素材が多いです。重みがあってきれいに垂れるものもあるんですが、そうすると、膨らました時に、非常に重い印象になってしまう、膨らみ方が。ふわっとならなくて、ボツにしたものもあります。
そして、空気感ですね。軽く洗練されているものがいいなと。ファジーなんですけど甘いファジーさではない、少し透明感のある優しい色。
——
この中でいちばん難しかったのはどの辺ですか?
M:
今までシフォンのような軽い素材を使っていなかったので、非常に、ぶれやすく、そこが難しかったです。
——
ショーの効果は感じましたか?
M:
感じましたね、やっぱり。
——
ショーにはものすごい人が集まりましたね。
M:
一般のお客さんにも、体験してもらいたいというので、自分たちのホームページ上でも募ったんですね。『観覧募集』って。それで400人くらい応募があって。地方からもたくさん来てくださったんです。それとうちからの招待客と合わせて700人くらいかなと思っていましたが、1000人くらいになりましたね。
——
今回の、普通にランウェイをモデルが歩くのではない形式というのは、最初から決めてらしたのですか?
M:
そうですね。自分が育ったときの東京コレクションには、ランウェイじゃないものがいくつかあって、それに触発されたところはあります。
——
いつ頃の話ですか。
M:
アンダーカバーの「レリーフ」の頃です。'98,'99年あたりですね。すごかった。荒川真一郎さんとか。マルタンのコムデギャルソンとの合同ショーとかも。ファッションショーってこんな見せ方もできるんだってことが、この時植え付けられたのかもしれません。
今回は、正面からだけでは伝わらないおもしろさがあると思ったので、すべての角度から見せたいという意向を演出の金子さんに伝えて、なおかつ、なるべく近い距離で多くの人が見えるように、ということでこういう形になりました。
——
コムデギャルソンみたいだとは言われませんでしたか。
M:
ショーの形式よりも、後で、コムデギャルソンのこぶドレスとの関連を言われましたね。僕は、すごくコムデギャルソンが好きなんですけれど、実は、こぶドレスに対してだけは、あまりポジティブに思えないところがあって、ずっと引っかかっていたんです。正直言って、あの美しさはわからない。やっぱり異形なものは異形で、なかなか受け入れられないと思っていたんです。取り付かれたように、そのことをずっと考えていて、そこに足りないものがあったのではないか、同じことをやるのではなく、違う見せ方ができるのではないかと思っていたんです。
——
こぶドレスは、97年ですね。
M:
すごいインパクトがあったんです。あのこぶが抜けて行ったら、きれいなのかなとか、素材との兼ね合いなのかなとか、いろいろ考えました。
——
そういう問いかけへの森永さんなりの答えが、もしかすると、今回のコレクションなのかもしれないですね。でも、アンリアレイジのは、最初の作品が出てきた時、袖が、天使の羽のように見えました。だんだんいろんな形が出てきて、へえ、と思いました。そういう裏切られて行く面白みがありましたね。ヘアメークは加茂さんですよね。加茂さんも金子さんの方から?
M:
そうです。加茂さんと仕事したいというのは、僕の中にはずっとあったので。
——
これをやってみて、また違うものが見えてきたというようなことはありましたか?次にやりたいものが出てきたり。
M:
ありますね。やったときはすごく充実して満足感もあるんですが、1ヶ月くらい経ってくると、次はなにか、またやりたくなっちゃいますね。このショーまではずっとそういう頭で生きていたんですけど、終わるとやっぱり次のことを考えてしまって。
さっきの体のデザインのことを話しましたが、デザインできない範囲ってどんなものでもあると思うんです。ボディというものがあって、それに対してどういう距離感でデザインするかというのを、最近すごく考えるのです。ボディの先にはなにがあるのだろうということや、人がデザインしなかったところに、デザインの価値があるのではとか。デザインされて来なかったものを見つけたいというのが、強くありますね。
——
出来上がったものをこわして行く人はいますが、あなたのように、デザインされなかったものを探して行く人は意外に少ないと思います。当たり前とされていたものを裏返してみるとか、バランスを変えてみるとか、服に使わなかった素材を使ったり、ジェンダーを飛び越えてみるとかは、すでにいろんな人がやっていますね。
M:
僕の場合は、最初は好奇心から入るんですけど、それを実際に作って行く時に、計算が必要になってくるんです。最初から計算できるといいのですが。
——
これからの活躍が楽しみです。

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