前回スエーデンロケについて書いた後、タイ、マレー
シア、上海、香港、イランの横でカスピ海に面するア
ゼルバイジャン、フランスのニースなどロケが続き、
どたばたの日々を過ごしてましたが、久しぶりに撮影
日記です。
15年来の友人で、ブロガー、ファッションフィルム
フェスティバルのASSVOF のファウンダー、Diane Pernet と
11区のスタジオでフィルム撮影。
サングラス、ヴェール、黒い服がトレードマークのダ
イアンはアメリカ人、長年パリベースですが1週間に
2回は海外にいることが多く
超多忙の日々。この後東京とマイアミに行くそう。聞
いただけで疲れる日程、、、
ヨージヤマモトとのコラボレーションでアーカイブの
服の中から,セレクト。いつもは黒しか着ない彼女に
今回は赤と白い服も。
この撮影のあとはイタリアの雑誌の為ロサンジェルス
へ。
ホテルの部屋でカメラマン、Paolo Zambaldiの描いた
ストーリーボードを見ながらスタイリングをチェック
します。ホテルの部屋は服やアクセサリーであふれ、
まるでショールームのよう。
モデルはTim Walkerの写真で有名なカナダ人のLisa Cant、
彼女は容姿そのままでとてもスイート。
撮影用のエキストラで警察官役の男性。エキストラに
も専門があって、彼は年代別の制服を持ち,それぞれ
の役によって使い分けるのだそう。右の彼女はガール
フレンドで彼にあわせてこの格好で来たとか。ハリ
ウッドならではというカップルです。
爆発物専門の男性、1ショットの為に車に火をつける
係です。メルセデスベンツの中古車の反対側のガラス
を割ったり、ガソリンをからにしたり、かなり時間を
かけて準備した後、、またもや長い説明。もし撮影中
に車の窓ガラスが割れて爆発しても距離があるので心
配なし、動揺しないようにとのこと。
夕日で橋がオレンジ色にそまったところから最後の
カットの撮影開始。スタッフ皆、モデルより車の燃え
上がる様子に集中してしまいました。
実はこの後、燃え上がる火が消化器の故障で収まら
ず、"動揺しないように"といった本人があせって川か
ら水を汲み、男性全員で消化にあたったのでした。
この撮影の翌日、使用した服の一部はここLA またはNY
で他の撮影のためにホテルからピックアップされま
す。それぞれの撮影のスタイリストアシスタントとプ
レスが手配をしパッキング終了後、2本目の撮影のた
め、メキシコに近いJoshua Tree national parkへ移動。ロス
は車の渋滞で有名ですが、4時間かけてやっと到着。
ホテルの近くのサルーン、カントリーミュージックの
コンサートと雑音のなか大声で叫びながらの夕食をと
ります。
この夜は撮影現場から近いモーテル、Joshua Tree Innにス
タッフ全員宿泊、Gram Parsons roomは、当時ここで過ごし
たミュージシャンたちのサイン入りのカーボーイハット
や70年代のポスター等が飾られていました。
朝4時半にホテルを出るころから日の出が始まりま
す。深い青い空が赤い太陽の光に照らされ、すばらし
い色に変わってゆきます。この景色を見られたことは
とてもラッキーだと思いました。(早起きは三文の徳
ですからね)
建築家Robert Stone によるデザインのレンタルハウス
Acide Dorado ( Golden Acid )の内装。1400m2あり10人ま
で宿泊可能。
フランスでは日の入りの時刻も遅く,ゆっくりと沈ん
で行くけれど、ここ砂漠では太陽が沈むのはあっとい
う間で、温度が急激に下がって行くのを感じます。
12月でも昼間は太陽の光が強く暖かいけれど,
夜はマイナスになるほど冷え込みます。
Joshua Tree national park は3210km2の広さ。
アメリカ人モデルのAlexandra Tomlinson、
身長183cmの彼女はヒールを履くと
まるで同じ人間だとは思えないバ ランスです。
ヒーターの前でライトの設定待ち、
その 間にも気温がどんどん下がり、撮影中は全身ががくが
く震えてるのに、このくらい大丈夫よーと言いながら
がんばってくれて無事に撮影終了しました。
ちなみに 彼女がバスローブの下に着ているのは、ミュグレー、
帽子はフィリップ トレイシーによるパコ ラバンヌ
靴はサンローラン。この後ふたたびロスへと戻り、起
床後18時間の長い1日が終わったのです。
翌日はメンズ雑誌GQの撮影で偶然近くのホテルに泊
まっている友人と朝食を食べ、Farmers Market をぶらりと
した後、空港へ。そこでは雑誌ヌメロのスタイリス
ト、フランクとばったり出会い、海外で会った方が
ゆっくり話せるねと笑い合ったのでした。
今月は海外ロケが続いていますが、カナダの後はスウェーデンロケです。
パリからストックホルムで乗客5人のプロペラ機に乗り換え、駅のように小さなKarlstad 空港へ到着。そこから車で約30分間、林と野原を走りぬけると、湖のある小さな町Molkomに着きます。
東ヨーロッパ最大のオルタネイティブなフェスティバル 、NO MIND FESTIVALは1997年からこの町にあるAngsbackaで毎年7月に行われています。
参加者は約1000人、この中には家族連れもかなり多く、アルコール、ドラッグ、タバコは禁止。60人ほどのワークショップのリーダーやミュージシャンたちはニューヨーク、チリ、オーストラリアなど世界各国から来ています。
内容を見ると、愛、瞑想、ヨガ、創造性、マインドフルネス、音楽、ダンス等のワークショップを通して"自己の発見と成長" なるほど なるほど、、、事前に見た写真では ヒッピー、ニューエイジたちの集まりのようで、かなりおもしろそうな予感がしていましたが、私が過ごした4日間に見たものは想像以上にパワフルでディープな世界だったのです。
参加者の中には、予想どおりヒッピーも多いけれど、他にもいろいろなタイプのさまざまな国籍の人たちがいました。精神的な問題のセラピーをうけるため、家族全員で癒しが目的な人たち、リーダーシップやストレス発散のためのワークショップを受ける男性たち、または新しい出会い、発見や経験をしたい人たちなど、、、
ここを第二の我が家と呼んでる人も多く、毎年通うリピーターがかなりいるのは実際来た人にしかわからない独特な雰囲気と人々の笑顔、包容力、自己の発見に目覚めた喜びによるものだそう。
私は、実は参加者の中で唯一"プレス関係者"のバッジをつけていたのでかなりの人から話しかけられ、興味深い話を聞けたのはラッキーでした。ワークショップの指導者たちは、参加者の暗い顔が日に日に明るく変わっていく経過は驚くほどだと言っていました。このフェスティバルに参加したことで人生が変わったという人がたくさんいたのも納得できます。
オープニングセレモニー、白い服を着た主催者やボランティアの人々の歌と笑顔で迎えられます。初めは写真を撮りまくっていた私も歩き進むうちにあまりの笑顔に圧倒され感動してしまいました。
敷地内は広い芝生とワークショップの行われるいくつものテントがあり、子供専用の遊び場、サウナ、などもあります。
有機野菜のみでベジタリアンの食事は新鮮で最高 な味でした。スウェーデンの朝食はシリアルかポーリッ ジにフルーツを入れたものが主流だそう。 パンやカ フェで出される人参ケーキ、バナナタルトもとてもおいしくて感激。ハーブコーナーでは喉を痛めた人、睡眠不足の人などにあわせてお茶を 作ってくれます。
今回は参加者たちがモデルなのでスカウトをして いると、"ダイナミック瞑想"をする人々の叫び声がかなり遠くからも聞こえてきます。はたから見ていると実はかなり笑えてしまう光景なのですが、実際やるとストレスを発散するには最高らしいのです。ある人は怒りたいことがあれば、家の中でも大声で叫びながら、まくらをベッドに疲れはてるまでたたくとすっきりするよと教えてくれました。ふむふむ、、、
ロンドンから合流してくれたカメラマンのIain Mckell。ストロベリーハウスと呼ばれる場所で撮影中。
下は、最近出版された彼の作品集"The New Gypsies"の内容の一部。ロンドンで展覧会が先月までおこなわれていました。
©Iain Mckell The New Gypsies
このフェスティバルを撮ったRobert Cannan とCorrina McFarlaneによるドキュメンタリー映画、Three miles north of Molkom 、叫びながらのたうちまわるトランス状態の人々や他にも興味深いワークショップが見れます。
ここの特徴の一つとして長い長いハグがあります。敷地内いたるところで、同性同士や男女年齢関係なく何分も抱き合ってる人々やグループがいて、それはとても静かで母親が小さい子供を抱きしめてるような感じのハグなのです。ただ慣れない人にはかなり違和感があるのですが、皆愛情にあふれてとても幸せそうな感じ。
滞在5日目無事に撮影も終わり空港へ出発する前に急いで昼食をとっていると、見慣れた顔の何人かから帰る前にビッグハグしようと言われ試したところ、、、、実はとても幸せでおだやかな気分になったのでした。(もっと早くからやってればよかった!)
パリに戻り、女友達からは気持ち悪がられるだろうし、異性から勘違いされると困るので友人の間でのビッグハグはおしまい。今回撮った写真のセレクトの件でIainから電話があり、なんか人生観が変わった気がするとのこと。ふむふむ、、、
ということでIainと私は他の人々と同様にAngsbackaの愛のマジックパワーにはまってしまったのです。
http://uk.angsbacka.se/index.asp
http://iainmckell.iainmckell.com/
http://www.threemilesnorthofmolkom.com/
雑誌、コードのためにカナダ東部ケベック州の都市、モントリオール行ってきました。カメラマンはオーストリア出身でこの町に住むTim Georgeson。
コードはドキュメンタリースタイルのファッション雑誌なので、いつもは普通の人でとることが多いのですが、今回はレディガガのクリップとミュグレーのキャンペーンで有名人となったRick Genestと彼の友達たちがモデルで、壁中グラフィティだらけの彼らの友人たちの家の周辺で撮影です。彼らはRickの率いるアンダーグラウンドなエンターテイメント集団でもあります。皆とても親切で礼儀ただしく、撮影中もいろいろ気を使ってくれたのでした。
上は、メキシコ出身のMiguel。
彼は "メキシコではとても危険な場所に住んでいて、強くないと生き残れなかった。そしてカナダに逃げてきた当初、容姿のせいで誰も友達ができず1人だったところ、お互いを尊重しあって楽しくやってるリックたちと知り合い、とても幸運だ"と話してくれました。ちなみに彼の着ているTシャツは彼らのユニフォーム。袖や脇をカットしたり、女の子たちは背中をカットして結んだり、それぞれに着こなしていました。はいているデニムのパンツは最近新しく作ったものだそう。
へびと遊ぶRick。
彼らのほとんどがパンツやジャケットなど自分たちでカスタマイズし、身につけています。入れ墨だらけのリックの肌は赤ちゃんのように白くて、私の持っていたスタイリング用の指輪の先が曲がっているのを修理してくれた時、とがったところが指に刺さると痛いからやめたほうがいいよ、と言った私の言葉にお互い大笑いしてしまいました。
2足のブーツを切って重ねたRick手作りのブーツ、糸で縫い合わせた皮のパンツ、よく見るとディティールもかなり凝った作り。彼らのほとんどが手作りのアクセサリーや服を着用しています。
ヘアメイクなしの撮影なので、自分でメイク中のIman、モデルになってくれたMelissaがメイクアップアーティストになるための勉強中で完璧なメイクボックスを持ってきてくれました。
撮影現場にいた友達は火吹き男、横にいるのは、Rickの親友のCaleb。
Timと奥さんでジャーナリストの Caia Hagel。
ドキュメンタリーの仕事が多いTimは彼女と組んでの仕事も多いそう。Caiaは日本に住んでいたこともあり雑誌スタジオボイスに何度か文章を書いたことがあるそう。
Georgeson一家の台所の一部。なにげなくおかれた花や拾ってきた石などに彼らの性格がよくあらわれています。
以下はモントリオールの町中スナップ。
住民の約3分の2がフランス語を第1原語とし"Joie de vivire " ( 生きる喜び)を信条とするこの町は、有名な作家や音楽家、アーティストが多く住み、世界的に有名なcirque du Soleil の拠点都市でもあります。出会った人々は皆気取らず、とてもフレンドリーでたくさんの思い出のつまったロケとなりました。
http://www.timgeorgeson.com/
http://www.rickgenest.com/