2009年5月アーカイブ

09/05/27 Wed 01:40
「貴婦人と一角獣」のタペストリーとガリア・ローマ時代の浴場跡で有名なクリュニー中世美術館(Musée de Cluny-Musée National du Moyen Âge) 。

2000年から始まったローマ浴場跡の修復工事が終わり、「浴室と鏡」という展覧会が行われています。
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古代の浴場入り口。
建物がローマ人により建てられたのは1世紀のことでした。
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上った蒸気が水滴になって落ちてこない様に天井はドームになっています。
まぁ、そんな事は当たりまえで、古代ローマ人達の風呂好きは日本人以上だったかも。
記録によると牛乳風呂に入る為に乳牛を連れてヨーロッパを移動していたとか。
かつてここは6000m2の広さに3つの浴場があり、4世紀の終わりまで使われていました。
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古代ローマの皆さんは彼女の様にまったりとお風呂に浸かり、美容に励みました。
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これは当時使われていた石けんの原料のバラの花びら、オリーブ、ヤシのオイルなどで、今と変わりません。
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石像は原料を調合していた薬剤師。
いろいろな国々を攻めたローマ人は言葉が違っていても石像や絵を用いて、
店が何を商っているのかを判るようにしていたそうです。
ひょっとすると、これも看板だったのかもしれません。
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フラスコの中身はローマ人達が使った美容や若返りのクリーム、アロマ用品です。
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今回、ロレアル研究所が協力し、クリームなどを科学的に分析。
だからなのか、展示品の説明を食い入るように見るマダム達には美術品を鑑賞する時とはちょっと違う真剣さがありました。
。。。のように見えました。
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壷に描かれた入浴風景。。。はぁ〜〜〜羨ましい。パリにも温泉欲しいなぁ。
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お風呂から上がると当然、お化粧しないとね。
化粧品に使った原料です。
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素敵な壷に入ったパウダーです、今売り出しても当たりそうですよ。
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このガラス瓶の中身はファンデーションです、大きさは17.9cm。
1世紀のデザインですが形も色も可愛いですね。
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そして、髪型も決めないと。
1世紀から2世紀の胸像ですが、少々笑えるものもございますし、素敵な髪型もあります。
ちなみに全員女性です。
le bain et le miroir0015.jpgのサムネール画像
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髪型を整える為には鏡が必要。それぞれの装飾が本当に見事です。
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4世紀のギリシャの鏡。
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象牙に物語を彫り込んだ15世紀のものです。
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そして、櫛、これも象牙で出来ている1世紀頃のエジプトのものです。
アフロの方が使ってる櫛と同じですよね、髪を梳いている様子が目に浮かびます。
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3世紀頃のもの。
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人間の美しくなりたい、という欲望は、まったくこの2000年間変わっていないのですね。
既に6世紀には美容整形があったということですし、やはり、見た目も大切なのね。
お風呂に入って、磨きましょう!


9月21日まで。
Musée de Cluny-Musée national du Moyen Âge
6, Place Paul-Painlevé 75005 Paris
開館日:水曜〜月曜 9時15〜17時45
閉館日:火曜、祝日
入場料:8.50ユーロ 26歳以下は無料
地下鉄:Cluny la Sorbonne (10番線)

Photos / Chieko HAMA
Texte /   O.T 

09/05/20 Wed 19:13
Mémorial du Maréchal Leclerc de Hauteclocque et de la Libération de Paris- Musée Jean Moulinで、
「1940年ー1944年 アクセサリーとオブジェでパリでの女性の生活を証言」と題された展覧会が行われています。

はぁ〜、長い名前の博物館で長い展覧会名です。
こちらの新聞では勝手に縮めて、
「Jean Moulin博物館で1940-1944のアクセサリーとオブジェ展」と掲載しておりました。まぁ、わかりますね。

パリに何度も来られた方でも、この博物館の名前を聞いた事がないのでは?
私も今まで知りませんでした。
戦争を語り継ぐ目的で造られた博物館です。
現在、膨大な服飾コレクションを誇るガリエラ美術館が改築の為に閉まっているので、
この博物館に戦時下の服飾品を貸し出し、可能になった展覧会なんですよ。

外観はなかなか立派な建物です。
では、観てみましょう。
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ドイツに占領されていた時代にファッションのパリで女性は如何に生活をしていたかが紹介されています。
約250点の展示ですが、それぞれに面白いお話がありました。
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先ずは、この時代は商品が極端に不足しましたから"自分で作りましょう"という事で、服はもちろんですが、
クツもバックも帽子も、作り方の本がたくさん売られていたそうです。
誰でもが作れるように、かなり詳しく手順が載っています。
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また、素材も手に入らないので、工夫して新しい素材が使われました。
奥の帽子は紙製、手前は薄いプラスチック製です。
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ウサギは高級な毛皮素材ではありませんが、オートクチュールメゾンでも帽子やコートに多用していました。
このバックはエルメスなのですが、素材はノロ、シカの一種なのですが、普通は使われる事はないそうです。
他には猫なども毛皮として使われていたそうですし、なんと、人間の髪の毛も織物の材料として使ったそうです。
美容室は切った髪を捨てずに、差し出す事が義務づけられていました。
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今回一番面白かったのがこれです!

エレガントな女性はシルクのストッキングを履くのが当たりまえ、素足なんて、とんでもない時代。
でも、戦時下ではストッキングは手に入らない。。。
そこで、太ももから下を染めて、ストッキングを履いている様に見せるのです。
一度塗ると数回お風呂に入っても大丈夫だったそうですよ。
シルクのストッキングの後ろにはラインがあるので、ラインをつけるための製品もありました。
エリザベス・アーデンなどの高級化粧品メーカーから発売されていました。

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フランス人はどんな時にも皮肉屋さん。
このタバコ入れはご主人と犬が同じ物をいつも携帯している様子を描いています。
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それは、これ。ケースに入った毒ガスマスクです。
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おおっぴらな言論の自由がなかった時代ですが、反骨精神はいたるところに。
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ドゴール将軍を描いたスカーフです。これを身につけて、彼がドイツから解放してくれるのを待っていたんです。

ヒゲのおやじはヒットラーです。
ブローチなんですが、彼を小馬鹿にしているのです。
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そして、フランス国旗、トリコロールをバックの中に使い、愛国心を表しました。
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この時代の大きな過ちも展示されていました。
電話設置の申込書です。

内容は:
私、フランス・花子はユダヤ人ではありません、ユダヤ人の為の申し込みではありません、ユダヤ人に電話を貸す事もありません、電話を設置して下さる様にお願いします。
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二度とあっては、ならないから、語っていかなくてはいけません。

1944年8月25日、パリは解放されました。
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クツやアクセサリーには解放してくれたアメリカとイギリスの連合軍の旗が使われて、喜びが溢れていますね。

11月15日まで。
Mémorial du Maréchal Leclerc de Hauteclocque et de la Libération de Paris- Musée Jean Moulin

Jardin Atlantique 
開館日:火曜〜日曜 10時〜18時
閉館日:月、祝日
入場料:4ユーロ 14歳以下無料

博物館への行き方
モンパルナス駅に入って、Grandes lignes/TGVの出発階へ上ります。
3番線乗り場の左にメタリックの階段があります。
階段を上るとAtlantique公園で、右に見える白い建物が博物館です。

Texte et Photo / C
09/05/13 Wed 23:32
パリのデパート、ギャラリー・ラファイエットで"モロッコ コレクション"と銘打ちモロッコ物産展(?)が行われています。

そのオープニングの催しの様子がユニークでしたのでご紹介。
スタートしたのは店が閉まった20時半、ご招待のお客様だけがモロッコ祭りに参加。
会場はオスマン店の2階の靴売り場です。。。

先ずはグッチの売り場の前でモロッコの民族衣装を着た楽団が景気を上げます。
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飲み物や
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食べ物が振る舞われ、
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気分は盛り上がるのですが、ここは靴売り場。
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商品が普通通りに飾ってある売り場で、飲みます。
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食べます。
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歌いますし、
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踊ります。
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万が一の為にガードマンは各所に居るのですが、
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気分は大盛り上がり。
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商品が壊れたり、汚れたりしないのかなぁ?などと心配するのは日本人だけのようです。

他にもアラビア文字で名前を書いて貰ったり、
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アラブ女性のおしゃれ、ヘナペインティングをして貰ったり、
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気分はとても「モロッコ」。
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新型インフルエンザなど、誰一人、気にもかけずに夜は更けていったのでした。

Galeries Lafayette "Maroc collection" 6月6日まで。
40, boulevard Haussman 75009 Paris
営業日:月〜土 09時30分から20時(木のみ21時まで)

Photos / Chieko HAMA
Texte / M.M



09/05/06 Wed 03:35
モビリエ・ナショナル・ゴブラン・ギャラリーで、
「エレガンスと現代性」と題されたゴブラン織りを使った椅子やバッグの展覧会が7月26日まで行われています。

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1908年から1958年までの50年間に主にフランス大統領官邸やフランス政府機関の装飾の為に創られた調度品250点を紹介。
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ゴブラン織りと言えば、タペストリー。
今までご覧になったタペストリーを思い出して下さい。
描かれていたのは、王侯貴族、神話等がモチーフだったのではないですか?

飛行機をモチーフにするには、もちろん飛行機の誕生を待つしかなかったのですが、
それ以前に機械をメインのモチーフにすることは殆どありませんでした。
「飛行機」(1928年)
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織物が織られた同時代の新しい感性を持つ芸術家Raoul DufyOdilon Redon 、Charles Dufresne らの作品を下絵に使い、確かな技術を持った職人の技が、他の時代とは違うこの時代の大きな特徴を作りました。

右「狩り」左「釣り」(2作品ともに1933年)下「素敵な日曜日」(1927年-1931年)
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狩りをする女性。
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釣りを"まったり"と楽しむカップル。
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休みの日に戯れる二人。
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当時は、どのモチーフも斬新なものでした。
スポーツとレジャー、色々な意味で広く人々が「楽しみ」を手に入れた時代でもあります。

そして、贅沢な空間に巧みなバランスでの展示は見る者を飽きさせません。
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Charles Dufresneの「海辺の喜び」から創られた長椅子(1941年)です。
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細部も見て下さいね。
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「どうして、ゴブラン織は壁にかけてるの?」って不思議に思われた事はありませんか?
ゴブラン織りの主な用途は敷物ではなく、壁を飾る物であり、壁を覆い、
冬の暖房の効果を上げる実用性も兼ねたものなのです。

だから、"品良く"が最優先であり、新しいモチーフへの挑戦には長い間、積極的ではありませんでした。
伝統工芸を固守するが故、いつしか時代遅れになっていったのです。

ですが、1910年頃から本格的に諸外国で活発であったアバンギャルド芸術に対抗する新しい試みが始まりました。

これは童話「親指太郎」(1914-1920)のタペストリーと「森の動物」(1920-1921)を描いた椅子です。
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他にもロマンチックな「眠れる森の美女」などが題材になりました。
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IMG_8465.jpgのサムネール画像
一階を見終わり、二階へ上がりましょう。
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踊り場では、滅多に見れない織物の裏側も見られます。
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Raoul Dufyのパリの町並みをモチーフにした屏風(1924年-1933年)。
当時、壊すべきだ、いや、残すべきだとその存在に賛否両論が起こったエッフェル塔、
その奥に凱旋門、マドレーヌ寺院、オペラ座にサクレクール寺院と今もある建物がそのままあるのですが、優しい絵の色使いを見事に織物で再現して、どこか当時の"のんびりとしたパリ"を感じます。
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紹介されている家具の多くは外国のフランス大使館で使われる為に作られました。
パリの美しさや素晴らしい建物を紹介する役目もあったのでしょうか?

ノートルダム寺院
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凱旋門
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ブルボン宮
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ゴブラン織りで作られたバックも素敵な物がたくさんありました。
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モダンなバックは全て手作りで1927年から1937年に作られました。
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Paul Poire デザインのバック(1928年)
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如何ですか、フランスのエレガンスを少しはご堪能頂けましたか。
紹介されているのは、殆どが今回が初公開の作品です。

そして、この展覧会の照明デザインは若い日本人の女性なんですよ。
このブログでも紹介したアンディ・ウォルホール展も彼女が担当されました。

20世紀初頭の伝統工芸と現代芸術の見事なコラボレーションをゴブラン織りを通して見せてくれた、見応えのある展覧会でした。
その展覧会を支える一人が日本人であったことが嬉しいですね。

ギャラリーは、現在でもフランス政府が使用する家具や織物の制作と修復を行っている工房と同じ敷地にあり、工房も火、水、木(祝日を除く)の14時または15時にガイド付き見学が可能です。
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Galerie des Gobelins
42, avenue des Gobelins 75013 Paris
Tél : +33 (0)1 44 08 53 49
入場料:6ユーロ (工房の見学込みでは10ユーロ)
開館日:火曜〜日曜 12時30〜18時30
閉館日:月曜
地下鉄:les Gobelins (7番線)


Photos / Chieko HAMA
Texte / O.T

 
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