2009年1月アーカイブ

09/01/29 Thu 20:49
みなさんこんにちは。

今回は私の最近の活動報告を致します。

日本産にこだわったもの作りをすることは、そのブランドの強みになり日本でしか作れないオリジナルを生み出すことができる必要不可欠な要素です。

TEXTILE SPIRIT -原点との再会-  http://haft.smrj.go.jp/index.html

今回この企画に参加し生地を製作しました。
群馬県桐生市にある共立織物株式会社の協力で生地製作の現場を経験することができました。

桐生市は絹織物の産地として有名です。
古くは奈良時代までさかのぼり歴史はとても長いです。

服は生地によってその表情を変え、オリジナルの生地を作ることでブランドの世界観をさらに表情豊かにすることができます。
生地は服の命です。

若手のデザイナーにとってオリジナルの生地を作るには金銭面の問題でとてもリスクがあり、コストだけがかかる生地を作ると生地屋のメリットもなく負担だけをかけてしまうのが現状です。
また生地を作る機会を得たとしても、自分の思い描くイメージをどのように生地で表現すればいいかの知識がなくそれは現場でより多くの経験をして学ぶべきことです。

今回のプロジェクトではその部分を取っ払い、色々な方の具体的なアドバイスを受けることもでき、純粋にいいもの作りをすることができました。

日本の生地は世界でも引けをとらない技術と表現力を兼ね備えています。
それを支えているのは産地の職人の人達です。

海外生産が主流になりその職人、生地屋も減少しています。
日本で素晴らしいものを作る技術があるにもかかわらず、それを使わない現状は自分達の強みを失い、失ってから気がついても取り返しのつかないことです。

日本産であることは日本のブランドでしか出来ないことで、それを再認識し、その技術を発展させ未来へつなげていくことが今の時代に必要なことで取り組むべき課題です。

2月11日、12日に青山スパイラルで展示発表会を開催いたします。

生地の製作過程と完成した生地を使って製作した服も展示され、服は会場で試着することも出来ます。
詳細は上記のホームページでご覧いただけます。
一般の方も入場することができ無料です。
私は終日会場にいますので、皆様お誘い合わせの上、ぜひお越し下さい。


製作した生地

textile-spirit-生地写真.jpg





09/01/22 Thu 15:58
みなさんこんにちは。

今回は立体裁断を通して作品を解説いたします。


辞書によると
立体裁断とは、紙の代わりにトワル(粗布)を用い、原型の代わりに人体や人台に直接布をあててカッティングをする方法。作図を元に服を作る平面裁断に対し、人体に布をあてながら形を作りだしていく。布の彫刻といわれるほど、高度な技法と熟練を要する。ドレーピングともいう。

人の体は千差万別です。オートクチュールは顧客の体型に合わせた人台作りから始めます。
一般のアパレル企業はそれの平均値(バスト、ウェスト、ヒップなど)を取って作られた人台を使用しています。
呼び方は色々あります。スタン、ボディ、マヌカン、など。

今回は立体裁断のアプローチ方法をご紹介します。


使用する人台です。B=83 W=64 H=91 (B:バスト W:ウェスト H:ヒップ)
人台の黒い線は中心線、BWH 脇線、衿ぐり線、肩線です。
基準の線として使用します。


赤いコート 立体裁断 1.jpg



赤いコート 立体裁断 2.jpg



赤いコート 立体裁断 3.jpg


大きさは実物の大きさ以外に、1/2,1/4などあります。
今回使用するのは1/2の大きさの人台です。


デザイン画を見るとバストの上が切り替えられていて、そこにたての線が入っています。
たての線をどう表現するかで服の印象が変わります。
切り替えられているのか、プリーツなのか、それ以外の何かか。
デザイン画の雰囲気や、テーマに合う表現を考えます。

まず切り替え線を人台に引きます。
赤い線が切り替え線です。

赤いコート 立体裁断 4.jpg


赤いコート 立体裁断 5.jpg


赤いコート 立体裁断 6.jpg


赤いコート 立体裁断 7.jpg


赤いコート 立体裁断 8.jpg


次は布の準備です。

実際に使用する生地で立体裁断をするのが一番いいのですが、今回は立体の時に良く使われる生地、シーチングを使用します。

赤いコート 立体裁断 9 シ.jpg


生地にはたてとよこがあります。
よこ幅は90cm、110cm、130cm、150cmなど、生地を織る織機によって幅も変わります。
これは90cm幅です。

また、生地には"耳"があります。

赤いコート 立体裁断 10 .jpg

たてが耳です。
ジーンズで"赤耳"と呼ばれるものがありますが、それはこの耳のことを言っています。
ほつれませんが"生地が動かない"ので立体をする時には不要です。

まず耳を切ります。

2cmくらいの位置に線を引き、

赤いコート 立体裁断 11.jpg


カットします。

赤いコート 立体裁断 12.jpg


カットしたらアイロンをかけます。

赤いコート 立体裁断 13.jpg


アイロンをかけ終えたらたてとよこに案内線を引きます。

赤いコート 立体裁断 14.jpg


下準備の完了です。

次は人台に布をあてていきます。

たての案内線は中心線、よこの案内線はバストラインに合わせて布をあてます。

赤いコート 立体裁断 15.jpg


動かないようにピンで止めます。

赤いコート 立体裁断 16.jpg


赤いコート 立体裁断 17.jpg


たての線ですが、タックをとります。
タックのポイントをピンで止め、

赤いコート 立体裁断 18.jpg


赤いコート 立体裁断 19.jpg


赤いコート 立体裁断 20.jpg


この作業を繰り返します。

ポイントをピンで止め、タックを作ります。

赤いコート 立体裁断 21.jpg


赤いコート 立体裁断 22.jpg


赤いコート 立体裁断 23.jpg


赤いコート 立体裁断 24.jpg


赤いコート 立体裁断 25.jpg


不要な布をカットします。

赤いコート 立体裁断 26.jpg


カット後

赤いコート 立体裁断 27.jpg


赤い線と脇線を生地に写します。

赤いコート 立体裁断 28.jpg


赤いコート 立体裁断 29.jpg


布を人台からはずして線を引きます。

赤いコート 立体裁断 30.jpg


タックの線も引きます。

赤いコート 立体裁断 31.jpg


赤いコート 立体裁断 32.jpg


アイロンをかけてしわをとります。

赤いコート 立体裁断 33.jpg


アイロン後、

赤いコート 立体裁断 34.jpg


1.5は縫い代の値、SSは脇線の意味です。

赤いコート 立体裁断 35.jpg


M.DVTは中心線、Bord DVTは前端、1.0は縫い代の値です。

赤いコート 立体裁断 36.jpg


タックの線ですが、このように仕上げます。

斜めの線はタックをとる方向です。

赤いコート 立体裁断 37.jpg


赤いコート 立体裁断 38.jpg


赤いコート 立体裁断 39.jpg


ピンでタックをとめます。

赤いコート 立体裁断 40.jpg


人台に着せて確認します。

赤いコート 立体裁断 41.jpg


赤いコート 立体裁断 42.jpg


立体裁断のコツはなく、とにかく作り続けて自分なりの方法を見つけることです。
出来上がったものがよければ、それが全てです。

理屈ではなく感覚で作れるのが立体裁断の素晴らしい点であり、熟練の技術と感覚が必要な難しい作業でもあります。


それではまた次回。





09/01/15 Thu 18:57
みなさんこんにちは。

今回はブランドの世界観とそのイメージ表現についてお話し致します。

お店で売られている服を手にとって眺めたりそれを着てみることでそのブランドとデザイナーが伝えたいメッセージを読み取ることが出来ます。
デザイナーと直接話さなくても服のデザインに伝えたいことが込められていて、服で会話をすることが出来ます。

服を着ることが一番分かりやすいのですが、それ以外にイメージを伝える表現方法には以下のようなものがあります。

各都市のコレクション(パリ、ミラノ、ロンドン、ニューヨーク、東京など)、雑誌の広告、各メディアとのタイアップ、アーティストとのコラボレーションなど。

わざわざお店に行かなくてもブランドが伝えたいメッセージ・イメージを読み取りそれを共有することが出来ます。

表現方法をデザインすることはとても重要なことです。



ではイメージをデザインします。




image-1.jpg



image-4.jpg




image-2.jpg




image-3.jpg



image-5.jpg



image-7.jpg




色々なブランドの表現を見比べてみると面白いと思います。
時代性、流行、ターゲット、世界観、
ブランドの伝えたいイメージを読み取り、それを共有して服を楽しんでいただければと思います。

ではまた次回。




09/01/08 Thu 15:34
みなさんこんにちは。

今回はデザインを通して作品を解説いたします。


服のデザインを考えます。

デザインを考えるときにその服を着る具体的な女性像をイメージします。
それを着て欲しい女性、憧れの女性、ブランドがターゲットとする女性など、

ブランドのイメージを伝える女性を"ミューズ"と呼びます。
ミューズはそれぞれのブランドで異なります。

有名なのはユベール・ド・ジバンシィ(Hubert de Givenchy)のミューズ、オードリー・ヘップバーン(Audrey Hepburn)です。

様々なブランドのミューズを調べてみると、その時代の有名な女優を起用したりなど時代性やブランドのアイデンティティが分かり色々な発見があるので面白いです。


ではミューズをイメージします。

以前ルーブル美術館でミューズのイメージをする材料として、色々な画家が描いた女性を写真に撮り収めました。
それをご紹介します。


女性の絵 1.jpg


女性の絵 2.jpg


女性の絵 3.jpg


女性の絵 4.jpg


女性の絵 5.jpg


女性の絵 6.jpg


包み込む優しさ、上品で美しく、繊細でいつの時代でも色褪せない普遍の美しさ、


デザイン画です。


コート デザイン画.jpg


具体的な資料からデザイン発想しましたが、先に述べたような特定のミューズを見つけてデザインする方法もあります。

服を見て女性のイメージができる、そのことを意識して服を見ると色々な発見があり服の奥深さが分かるかもしれません。


次回も製作過程を通して作品を解説いたします。



09/01/01 Thu 11:47
明けましておめでとうございます。

2009年の皆様のご健勝とご多幸をお祈り申し上げます。

今年もブログ共々どうぞ宜しく御願い致します。



服は着る人自身を伝えるものであり、その人のライフスタイルに合ったデザインを提案するのがデザイナーの仕事です。
デザイナーの個性も大事ですが、服が目立ってはいけません。
主役は着る人です。


BRAND-IMAGE-PHOTO.jpg

BRAND-IMAGE-PHOTO 2.jpg


繊細で美しく。
優しくて上品で。

そんな女性のためのデザインです。

赤いコートです。

赤ずきん、赤いくつなどの童話、
紅一点、
など赤は女性を表す色として使われています。

女性を美しく見せる色ですが、強い色なので赤に着られてしまうこともある難しい色です。
さらりと赤いコートを着こなす彼女は、とても素敵な女性です。


次回は製作過程を通して作品を解説いたします。




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太田和義

太田和義

Kazuyoshi Ota

デザイナー。1981年生まれ。2005年、第79回装苑賞受賞後、パリクチュール組合学校・サンディカに留学。留学中、高田賢三氏のブランド「TAKADA」で研修。クラシック・クチュールを基本とした服を展開し、その服作りはヨーロッパのファッション関係者から高い評価を得ている。

クリエーターズ・ブログ 太田和義

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