2008年11月アーカイブ

08/11/27 Thu 17:12
みなさんこんにちは。

今回も前回に引き続き装苑賞の解説を致します。

前回の立体裁断より完成パターンを作成します。
マヌカンにシーチングを着せて、丈、布の分量、ポケットの位置、ボタンの位置等を決めます。

修正を重ねて完成したパターンです。


前身頃、ベルト、ポケット

前、ベルト、ポケット.jpg

後ろ上、下

後ろ上、後ろ下.jpg

表地 前と後ろ袖

表地 前と後ろ袖.jpg

裏地 前と後ろ袖

裏地 前と後ろ袖.jpg

衿、覆い布

衿、覆い布.jpg
※表地は黒字、裏地は赤字、芯地は緑字で表記しています。

前回のパターンからさらに前・後ろ身頃の布の分量を多くしました。
ベルトを締めることでしわが生まれ、その影が服に表情を与えて女性らしさを強調するシルエットになっています。
また、袖は外側を長くしました。


次は裁断です。

完成パターンを生地の上に置き裁断します。

デザインをする段階で生地を選びますが、この作業はとても重要です。
色や素材、柄はもちろん、生地の厚みや重さ、風合い、肌触り、織り組織など、
イメージしたデザインに相応しい生地を選ぶことで服の完成度が大きく変わってきます。
この作品は布の分量が多いため、硬く重い生地は相応しくありません。
また着心地に影響します。
そしてコートの機能性を満たす生地であることも重要です。

今回選んだ生地は写真の綿バーバリーです。


綿バーバリー

綿バーバリー.jpg


ロンドンのバーバリー社が商標登録している織物です。
ギャバジンの一種で、緻密に織られた丈夫な生地でさらに特殊な防水加工が施されています。
生地の柔らかさ、軽さ、さらにコート地の機能性を兼ね備えた今回のイメージに相応しい生地です。

裁断の前に軽くスチームアイロンをかけます。
しわを取り、生地の伸びを最小限に抑えるためです。


アイロン風景

アイロン風景.jpg


アイロン後は生地をしばらく置いておきます。


次に完成パターンを厚紙で作ります。


厚紙 完成パターン 後ろ

厚紙 完成パターン.jpg


パターンを生地の上に置き、チョークで写します。


写す風景

チョークで写す作業.jpg


チョーク

チョーク.jpg


引いた線の内側を裁断します。


チョーク跡

チョーク跡.jpg


裁断風景

裁断風景.jpg


パターンとのずれがないように細心の注意を払い、
素早くかつ効率よく作業することが求められます。
この作業を繰り返します。
裏地、芯地、スレキも同様に裁断し、芯は指定された場所にアイロンで接着させます。

裁断の次は縫製です。

次回は縫製を通して作品の解説を致します。




08/11/20 Thu 10:24
みなさんこんにちは。

今回も前回に引き続き装苑賞の解説を致します。


前回作図したものを布に写します。
使用する布はシーチングです。

立体裁断で形だしをする時は、シーチングと呼ばれる無地の綿の生地を使用します。
シーチングにも様々な種類があります。
立体するアイテム(ジャケット、コート、シャツ、パンツ等)、
そして実際に使用する素材に合わせてシーチングを選びます。
今回は厚手シーチングを使用しています。

作図した線を布に写します。

まず、基本となる線(今回は赤い線)を引きます。


基本線

装苑賞 解説 2-(38)-1.jpg


布の地の目線(縦の線)と、その線に対して垂直の線(横の線)を引きます。
1m定規と直角定規を使用すると正確に線が引けます。

作図した紙の上に布を置き、基本線を合わせて鉛筆で線を写します。


トレース風景

装苑賞 解説 2-(37)-1.jpg


愛用道具

装苑賞 解説 2-(40)-1.jpg


写すものは前、後ろ上、後ろ下、プリーツ別布、前袖、後ろ袖、衿、後ろ覆い布になります。

写した布に約2cm(修正が入ると思われる箇所は多めに)の縫い代を付け裁断します。

裁断したものをピン(針)で止めます。


ピン止め

装苑賞 解説 2-(17)-1.jpg


愛用道具2

装苑賞 解説 2-(24)-1.jpg


ピンで止め、それをマヌカンに着せ、
デザイン画と見比べて修正を加えます。




装苑賞 解説 2-(6)-1.jpg


後ろ

装苑賞 解説 2-(5)-1.jpg


デザイン画通りに作ることはとても重要です。
デザイナーの意思を読み取り、デザイン画の形を追及します。
パタンナーの技術とセンスを活かし、服の形を追求します。




装苑賞 解説 2-(2)-1.jpg


衿2

装苑賞 解説 2-(1)-1.jpg


前 拡大写真

装苑賞 解説 2-(3)-1.jpg


後ろ 拡大写真

装苑賞 解説 2-(4)-1.jpg


袖 拡大写真

装苑賞 解説 2-(8)-1.jpg


衿の大きさ、袖丈、身頃丈、バランス、布の分量、ボタンの位置、ポケットの位置、線の位置等。
答えはありません。
全体のバランスを見て、これがいい、という形を追求します。

立体裁断の次は裁断・縫製です。

次回は裁断・縫製を通して作品の解説を致します。



08/11/13 Thu 08:12
みなさんこんにちは。

今回は前回に引き続き装苑賞の解説をします。


作品のテーマは「COAT(体を包み込む)」です。
テーマに沿ったデザインをイメージしデザイン画に起こします。

服は人が着て完成します。
着る人をイメージできる服をデザインすることがとても重要です。

その人の人柄、ライフスタイル、何が好きで嫌いか、等。

服は着る人の性格や気持ちを表し相手にイメージを伝えるものであり、
服を着ることで気持ちが引き締まったり、周りの人を幸せな気持ちにさせたりすることができます。
例えば、オーダーメードのスーツであったり、ウェディングドレスであったり。

着る人をイメージして、その人の生活の中に自分が作る服が存在して、
その服が使われる状況や場面を想像し、その服が回りに与える影響力を考え、、、
と具体的なイメージをして、それ
をデザイン画に起こします。


デザイン画

装苑賞 デザイン画 1.jpg


デザインが決まり、次は作図をします。

この作品は頭で着ることができます。
そして布の分量が多いため、作図で大まかな形を決めて
それを立体裁断で調整をする、という作業になります。

作図は原型というものを使い行います。


原型
装苑賞 原型.jpg


7号、9号、11号等サイズにより大きさが異なります。
今回は9号サイズで作図しました。

原型の形を把握し、それに布をかぶせる感覚で線を引きます。
線は布の位置であり、どこに線を入れるかで服のシルエット・布の分量が変わってきます。


前身頃と衿
装苑賞 型紙.jpg

後ろ身頃
装苑賞 型紙-2.jpg


頭の位置を計算し、そこを基点に袖の長さ、丈の長さ、布の分量を計算します。
具体的な数値はありません。
引いた線のバランスを見て決めます。
感覚と経験を頼りに、布と体の空間を考え、美しい服を作るための線を探します。


作図の次は、立体裁断です。

次回は立体裁断を通して作品の解説を致します。


08/11/06 Thu 21:32
初めまして。
ファッションデザイナーの太田和義と申します。

このブログを通じて、服の奥深さ、面白さ、素晴らしさを伝えることが目的であり、
そこから生まれる新しいエネルギーを世の中に発信し、それが素晴らしいものになることを願って挨拶と代えさせていただきます。

まず初めに自己紹介を兼ねて、私の作品の解説をしたいと思います。


第79回装苑賞受賞作品

装苑賞 1.jpgのサムネール画像

テーマ「COAT(体を包み込む)」

私たちは服を着ます。
それは布が体を包み込むということ。
服が体を包み込む、包み込む=COAT
装苑賞では、そういう意味を持つCOATをテーマに作品を制作しました。

この作品は、雨の中コートを傘代わりに使用する人を見て、また、写真家 HENRI CARTIER-BRESSON の写真を見て、そこからデザイン発想しました。
突発的な雨が降ったときに傘代わりに使用することを目的としています。
素材はコートによく使われる防水性の高い綿バーバリーを使用しています。
頭からかぶっても窮屈にならないパターン(型紙と呼ばれるもの)展開をしています。

本来、服は肩で着るものです。
肩をしっかり作る事は服を作る上で重要なことです。
しかし、この作品は頭で着ることができます。
頭を基点としたパターン展開をしています。

次回はパターンを通じて、作品を解説致します。





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太田和義

太田和義

Kazuyoshi Ota

デザイナー。1981年生まれ。2005年、第79回装苑賞受賞後、パリクチュール組合学校・サンディカに留学。留学中、高田賢三氏のブランド「TAKADA」で研修。クラシック・クチュールを基本とした服を展開し、その服作りはヨーロッパのファッション関係者から高い評価を得ている。

クリエーターズ・ブログ 太田和義

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