みなさんこんにちは。
今回も前回に引き続き装苑賞の解説を致します。
裁断し芯を張った各パーツを縫い合わせていきます。
工程分析表に書かれているように、1着の服が完成するまでの道のりは長く険しいものです。
工程の順序を間違えると時間と労力を割かれ仕上がりに影響します。
そしてどのように仕上げれば美しい服になるかを考えて作業する必要もあります。
手作業とミシンなどの機器を上手く使い服を仕上げます。
今回は袖の工程を例にして作業を解説します。
袖には表袖と裏袖があります。
それぞれを縫い合わせた後それを合体させます。
左:袖裏 右:表袖

袖の裾は見返しになっています。
カーブのラインをきれいに仕上げるためこの仕立てをしています。
見返しと裏地の境目の縫い代に切り込みを入れています。

表地は割りアイロン、裏地は片返しアイロンにするためです。
縫い代の厚みを押さえすっきり仕上げることが出来ます。
表袖と袖裏を合体させます。
ここでは裾を縫い合わせます

裾を合わせて合い印を合わせます。
縫い目の境目など目立つ場所は、1度ミシンで仮止めをするとずれないできれいに縫うことができます。
縫い目を確認し、

ミシンで仮止め、3針くらい返し縫いで、

仮止め終了。

ミシン縫いをきれいに仕上げる道具としてサンドペーパーがあります。
縫いずれ、縫いつれをなくしきれいに仕上げることが出来ます。
サンドペーパー

使い方です。
押さえ金で布との間にはさみます。

作業に戻ります。
合い印を合わせて裾を縫います。

縫い代を整理します。
カーブしているところには切り込みを入れます。
すっきり美しく仕上げるためです。
切り込み

切込みを入れた後、アイロンで縫い代を割ります。
アイロン道具にも様々なものがあります。
私が主に使うのはこの2つです。
袖まんと仕上げまんじゅう

これ以外にも様々なものがあります。
アイロンをかける場所によって使い分けています。
次は裾の縫い代の割りアイロンです。
袖まんを中に入れてアイロンで割ります。

割るとこうなります。

切込みを入れた部分がよく分かります。
アイロンで縫い代を割った後、縫い代を整理します。
表側の縫い代は0.4cm、裏側の縫い代は0.7cmに縫い代を整理します。
すっきりきれいに仕上げるための縫い代整理です。
布の厚みや、どういう風に仕上げるかによってこの値も変わってきます。
縫い代整理

整理後

縫い代を整理した後ひっくり返します。


生地が浮いているのでアイロンで整えます。
整える時に0.2cm裏を控えます。
控えられているほうがきれいにすっきり見えるので裏を少し控えます。
パターン上でこの"控える"という操作をしているので問題はありません。
アイロンで整えて、

裏を0.2cm控えます。

次は裾にステッチをかけます。
ステッチをかける前にしつけで表地と裏地を縫い止めます。
表と裏をなじませる感覚でしつけます。
袖まんを土台にして生地をなじませながら、
まち針で仮止めをして縫い針でしつけます。

しつけ後。

裾から5.5cmの位置にもステッチをかけるので案内線の意味も含めてさらにしつけます。
要領は同じです。

次はステッチをかけます。
サンドペーパーを使いながらステッチをかける生地がずれないのできれいに仕上がります。
ステッチ後

ステッチ後、アイロンをかけて表と裏をなじませます。
なじませることが重要です。

つぎは"中とじ"という作業です。
このままだと裏地が浮いてしまいます。
簡単に言うと、中とじは表地と裏地をくっつける、という作業です。
表と裏の縫い代を縫い合わせてくっつけます。
しかしきっちり縫ってしまうと裏地の"遊び"がなくなり着心地に影響します。
裏地の遊びをなくさないためにゆるく縫うことが重要です。
表と裏の縫い代、

縫い代の断ち端、合い印をあわせて手縫いします。

裏地の遊びを意識しながらゆるく縫います。
糸が浮いています。

最後に仕上げアイロンをかけて表と裏をなじませます。
表地と裏地がなじみ、布に柔らかい表情が生まれます。

袖の完成です。
袖下

どのように仕上げるかはデザインによって異なります。
全ての作業が一生に残るものなので、妥協なく美しく仕上げる方法を考えて作業することがとても重要です。
次回は縫製とまとめの作業を通して作品の解説を致します。