ものづくりの現場から

Atomic Green

『装苑』2008年3月号 より
photographs : Hede,Josui,kei kondo(B.P.B.)

Atomic Green

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サチ●1979年生れ。
’99年S/S、山本耀司に見いだされ新人ながらモデルとしてパリ・コレクションに初参加。現在もビッグメゾンのコレクションで活躍し、東京コレクションではドレス キャンプ、シアタープロダクツ等に参加。コレクション以外にも、テレビCMやミュージッククリップ、映画、舞台と幅広く活動している。2005年10月よりアトミックグリーンのデザイナーに就任。
装苑が主催する装苑賞の公開審査会(2008年4月22日実施)のモデルとしても登場していただいている。
公開審査会の模様はこちらから。
問合せ 「アトリエ レテ 」TEL03-5456-0752

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白を基調としたシンプルでスタイリッシュなアトリエには、今シーズンの靴が飾られ、大量の靴箱が整然と並ぶ。
プレスルームでもあり、デザインが生み出される現場でもある。

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2008S/Sから新しく変わる靴箱。ブランドロゴなども手がけるコラージュクリエーター西舘朋央さんによるデザイン。

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ブランド立ち上げ時のDMは、雑誌のような体裁で目を引きつける。まず手にとってもらうことの重要さをブランドらしく工夫している。

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2008S/SのDMにはCD-Rがついている。新作をデザイン画で表現していたり、ブランドコンセプトやアーカイブなど盛りだくさんの内容。

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2008S/Sの展示会はシーズンテーマである“ CITY WOMAN VIEW ”を西舘朋央さんが空間デザイン。すべてが白で統一された空間に新作が際立つ。

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数々のトップデザイナーとの共演、そして彼らが生み出すものを誰よりも早く自らの体で表現するモデルは、ファッションの世界に最も近く、それでいて俯瞰で見ることのできる特別な存在といえるだろう。サチもそんなモデルの一人であり、また“アトミックグリーン”というシューズブランドのデザイナーでもある。
「学校で専門的にシューズデザインを学んだわけではないので、デザイナーという初めての仕事に不安や戸惑いを感じていました。でも同時に、モデルとしてパリと東京のランウェーを歩いてきたという自信と経験が、デザインのプラスになると信じていました。それがモデルの仕事をやってきた私の強みなのだと」
ゼロからのスタートという不安と、新しい世界への期待。デザインの仕事は、モデルをするうえで刺激になり、さらにその経験がデザインに反映されるといういい循環を作り出す。
「モデルのときと同じように、現場で仕事を身につけてきました。ブランドをやるということは様々な人々とつながっていくということ。工場のかた、革屋さん、ヒール屋さん、パーツ屋さん......、私にはたくさんの先生がいるんです」
彼女にとって日本で物を作ること、それは必然だったのかもしれない。「日本人が考えたものを日本人が作る」というシンプルな方法は、顔を突き合わせて物を作りたいと望んでいた、デザイナーの理想の形だからだ。
5シーズン目となる最新コレクションのデザインは“ CITY WOMAN VIEW ”という単語の並びをテーマに、都会で暮らす女の見た風景を表現。そこから発想したストーリーの世界観や空気感をデザインに落とし込む。
「異素材との組合せや光沢感など、シンプルな中にもポイントに遊びを持たせ、サイドから見たときのシャープさや美しく見えるラインにもこだわりました。都会で暮らす女の一日を“夕暮れのルージュケース”や“街路樹の足音”など断片的な言葉にして、一足一足に名前をつけています」
彼女が培ったセンス、物作りに対する思いが形になった“アトミックグリーン”の靴を、彼女は「私の娘」と表現する。モデルとデザイナーを両親に持ち生まれてきた愛すべき子供たちは、美しい名前を与えられ、日本からいずれ世界へと羽ばたいていくだろう。

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夕暮れのルージュケース

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夕焼け鳥の残像

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街路樹の足音

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一本の煙草

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灯るキャンドルと影

久野製靴

昭和29年創業の久野製靴は大手メーカーの製造を請け負う工場で、サンプル製作から、量産、仕上げとすべてを行なっている。全体の5%にも満たない“アトミックグリーン”の製品を工場が手がけるようになったきっかけを「仕組みができ上がっている靴業界に対して、若い人たちに背を向けてほしくなかった」と専務の久野隆志さんは言う。「サチさんのキャッチーな魅力とゼロからスタートしようという健気な姿勢に靴業界の発展の可能性を感じました。それが業界の窓口を広げてくれ、複雑な物作りの世界をもっとオープンにしてくれるのではというところに期待し、協力していきたいと思いました。理想は同じ願いの実現を共に喜び合える仲間ですね」と、足しげく通うデザイナー、サチをサポートしている。お互いの顔の見える物作りは大変なことも多いが、作り上げたときの喜びは相当大きいようだ。

sample 1職人による吊り込み行程。アッパーと呼ばれる裁断された革を靴型に合わせて立体成型。2 ラフサンプルを前に久野さんと打合せ。3 裁断用の刃形は靴ごとに新しく作られる。4,10 靴型に固定されたアッパー。5~9 工場には使い込まれた道具や靴型、指示書などがあふれ、職人たちの活気が伝わってくる。

2008-09 Autumn & Winter Collection

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刻まれた年輪

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静寂に包まれた渓谷

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舞い落ちる木の葉

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物語の幕開け

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静かに微笑む月光

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鹿の一呼吸

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