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20世紀モードとシルエットの変遷 1900-2000

『装苑』2007年10月号
横田尚美=文 中川清美=イラストレーション
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ファッションスタディ 装苑アーカイブ 1940

ファッションスタディ 装苑アーカイブ Christian Dior

1945年に戦争が終わると、パリではすぐにオートクチュールコレクションが復活し、1947年にはクリスチャン・ディオールがデビューする。贅沢に布を使った女性らしいシルエットのドレスは、戦争でおしゃれ心を忘れかけていた女性に強いインパクトを与えた。

ファッションスタディ 装苑アーカイブ Christian Dior

クリスチャン ディオール
ドレス 1948年ごろ
文化学園服飾博物館蔵
「コロール(花冠)ライン」の黒メルトンのツーピース。小さな肩、細いウエストから広がるスカートのこのシルエットはニュールックと同じ。クリスチャン・ディオールは、1946年にメゾン設立。翌年発表した作品が「ニュールック」として大流行し、第二次世界大戦直後の世界中の女性に夢を与えた。以降10年間、Hライン、Aラインといった優雅で洗練された女らしいスタイルを次々とパリから世界へ発信し、1950年代モードをリードした。ディオールの死後、イヴ・サンローラン、マルク・ボアン、ジャンフランコ・フェレがクチュリエとして活躍し、現在はジョン・ガリアーノがデザイナーを務めている。

ファッションスタディ 装苑アーカイブ 1950

ファッションスタディ 装苑アーカイブ Pierre Cardin

これ以降1950年代は、パリのオートクチュールが世界のファッションに多大な影響を与える。立体裁断の技術で知られるクリストバル・バレンシアガやオードリー・ヘップバーンの映画衣装で知られるユベール・ド・ジヴァンシーなど、きら星のごとく男性デザイナーが活躍した。彼らは女性の理想像を服で追及し、美しく構築的なシルエットを生み出した。ただし、これらは社会進出した女性には支持されず、引退していたシャネルが戦前同様の着やすい服でカムバック、男性デザイナーも機能的なデイドレスを提供していく。
ディオールがデビュー10年で急逝すると後を継いだイヴ・サンローランが、1958年に台形でウエストをしぼらない若々しいデザインで脚光を浴びる。ロンドンではマリー・クワントが若い女性向けの商品で人気となっていた。

クリストバル・バレンシアガ
ドレス 1956年ごろ
文化学園服飾博物館蔵
バルーンスカートのドレスは、「はさみの魔術師」と呼ばれ立体裁断を得意としたバレンシアガらしい、巧みなカッティングが施された構築的な一着。クリストバル・バレンシアガは、スペインで高い評価を得た後、1937年パリにメゾン開設。1950〜1960年代、厳密なカットと縫製技術により、バルーンシルエット、チュニックドレスといった革新的なフォルムを次々と生み出す。デイドレスのスーツも秀逸で、その後のスーツの原型となった。パリ・オートクチュールの黄金期を築いた巨匠の一人。

ファッションスタディ 装苑アーカイブ クリストバル・バレンシアガ
ファッションスタディ 装苑アーカイブ クリストバル・バレンシアガ

クリストバル・バレンシアガ
コート 1960年
文化学園服飾博物館蔵
抽象画風紋織りのトラペーズラインのコート。

クリスチャン ディオール
ドレス(イヴ・サンローラン デザイン) 1958年
文化学園服飾博物館蔵
ツイード地のトラペ−ズラインのドレス。イヴ・サンローランは1958年春のディオールのコレクションでトラペーズラインを発表しデビュ−を飾る。1962年に独立し自身のメゾンを設立。モンドリアンルックやパンツルックなど斬新なデザインを発表し、常にファッション界の中心的存在であったが、2002年引退。

ファッションスタディ 装苑アーカイブ クリスチャン ディオール

ファッションスタディ 装苑アーカイブ 1960

ファッションスタディ 装苑アーカイブ Chanel

戦後復興を果たした1960年代には、技術革新が進み大衆の購買力も高まり、大量生産大量消費が加速される。カラーテレビも登場し、かつてない情報化時代がやってきた。大衆文化が花開き、中でも若者向けのファッションであるミニスカートやTシャツ・ジーンズなど、かつてない自由でユニセックスな服装の時代となる。シンプルな服の流行は、ファッションビジネスの世界でも大量生産大量消費の既製服全盛時代を推し進めた。
 ストリートではすでに広まりつつあったミニスカートをアンドレ・クレージュがオートクチュールで初めて発表し、ピエール・カルダンやサンローランは、プレタポルテ(高級既製服)ブランドを開発した。パコ・ラバンヌは金属やプラスチック板で、宇宙的で露出度の高い作品を発表。それらはいずれもウエストを締め付けない単純なシルエットのミニのワンピースである。アメリカではルディ・ガーンライヒが、女性の解放感をアヴァンギャルドな作品で表した。
ベトナム戦争でアメリカの北爆が1965年に始まると、それに反対するヒッピーのライフスタイルが世界の若者に影響を与える。彼らは、アメリカ的、西欧的、キリスト教的な価値観に異議を唱え、さまざまな民族衣装や古着の重ね着、Tシャツにジーンズ、素足にサンダル、伸ばし放題のひげと髪といった反社会的な風体をした。これらはヒッピーファッションとして消費されていく。彼らのドラッグ文化はサイケデリックアートを花開かせ、これもファッションに取り入れられた。エミリオ・プッチの派手なプリント柄も人気だった。

ファッションスタディ 装苑アーカイブ ピエール・カルダン

ピエール・カルダン
ドレス 1960年代後半
文化学園服飾博物館蔵
メタリックな素材を取り入れた未来的なミニドレス。ピエ−ル・カルダンは、1950年パリにメゾン開設。1960年代、特に1964年の「スペースエイジ」など斬新なアイディアと宇宙的なデザインで一時代を画する。そのデザインは飛行機、劇場、レストランなど多方面に広がり、企業家としての活躍も有名。

アンドレ・クレージュ
パンタロンスーツ 1960年代
文化学園服飾博物館蔵
「クレージュ・スタイル」と呼ばれるパンタロンスタイルのスポーティで機能的なデザイン。アンドレ・クレージュは、1961年パリにメゾン開設。1965年オートクチュールとして初めてミニスカートを発表、ミニ旋風を起こす。未来的なデザイン、セカンドスキンというコンセプトのモダンで若々しい作品は、世界的に大きな影響力を持った。

ファッションスタディ 装苑アーカイブ アンドレ・クレージュ
ファッションスタディ 装苑アーカイブ ピエール・カルダン

パコ・ラバンヌ
ドレス 1968年ごろ
文化学園服飾博物館蔵
アルミニウム板を丸い金具でつなぎ合わせたミニドレス。パコ・ラバンヌは、1966年春夏コレクションでプラスチックの小片を針金でつないだ未来感覚のドレスを発表。保守的なオートクチュール界に変化をもたらした。金属や紙など、布以外の素材の服で「モード界のカーペンター」の異名をとる。

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ファッションスタディ 装苑アーカイブ

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